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葱と牛蒡とツインテール25

「見ろ」
「…一杯……」
「…毛利は裏切ることが前提なのか?」
しきは地図を見て眉間を寄せ、きゅ、と胸元で拳をつくった。小十郎はそんなしきをちらりと見た後、腕を組んだ。
「…てぇことは、今、豊臣秀吉本人は小田原か」
「!上杉領に進行してる部隊があるぜ!」
「なんだと?!」
「………」
「……。お互い、さっさと戻った方が良さそうだな。竹中は…西か」
「これを持ってきな」
佐助は机から離れると、壁の棚にあった刀を手に取った。
しきははっと我に帰る。
「いくら旦那でも、丸腰ままじゃ、」
「その刀はっ!」

ばさっ
そんな音がして、佐助の後ろに、黒い影が落ちた。
「猿飛!」「佐助!」
二人の焦ったような声が飛ぶ。
「ほぃっ!」
佐助は突如現れた小太郎の攻撃を、辛うじて避けた。
避けられたと同時に姿を消し、佐助の後ろにまた回った。
「うぉっ……と!」
持っていた刀でなんとか攻撃を受け、後ろに下がる。
すかさず、かすがが攻撃を仕掛けるが、小太郎は跳躍して避け、体を回して小さな竜巻のようなものを起こした。
「うっっ」
「のぁっ」
かすがは壁に叩きつけられ、佐助はふすまを破壊しつつ吹っ飛んだ。
「おい、しき!あの刀がなんなんだ!」
小太郎の姿を認めてかたかたと震えるしきを後ろにかばいながら、小十郎はそう尋ねた。小太郎の言葉に、小太郎がしきに気がつく。
しきは、びくっ、と肩を跳ねさせ、思わず小十郎にしがみつく。
「ほ、ほうしゅうっ、」
「報酬…?…!」
「いっつつ…さてはあんた、伝説の忍だな?」
立ち上がった佐助が、刀を抜き構えた。ぴくっ、と小太郎が反応する。
「風魔小太郎…!」
かすががそう呟くと同時に、小太郎は動いた。
瞬時に姿を消し、佐助との間合いを詰める。
「お前は行け!かすが!」
佐助は抜いた刀で小太郎の刀を受けた。きちきちと刃がなる。
小太郎は無言で力を込める。
「早くしないと、軍神が後ろをつかれちまうぜ!行け!」
佐助の言葉に戸惑うかすがに、佐助はさらにそう言った。
鍔競り合っていた刀を弾き返し、距離を取った小太郎は技を放った。その技で、その部屋の壁が吹き飛ぶ。
その勢いで、かすがは脱出した。
「……ッ、佐助……」
佐助は後ろに跳躍して小太郎と距離を取り、小十郎のそばまで来た。
「猿飛!刀を捨てろ!そいつは松永に雇われてる、狙いはその刀だ!」
「えぇ?まじ?それならそうと早く、言ってよ!」
佐助は驚いたように小十郎の言葉に反応すると、刀を鞘に納め、小太郎が破壊した壁から外へと向かった。
小太郎は素早く佐助のあとを追う。
「おぉらよっ!」
佐助は渾身の力で刀を放り、そしてすぐに跳躍してその場を離れた。
小太郎は迷うことなく屋根を蹴り、宙に舞う刀を掴んだ。そして姿を消し。
「きゃあぁっ?!」
「!しき!」
しきの後ろに現れ、がしり、としきの着物を掴んだ。
悲鳴をあげたしきに、小十郎は素早く振り返り机上にあった定規をしきの顔の隣を通って突きだした。
小太郎は着物から手を離し、それを避ける。佐助はちっ、と舌打ちをして自分の武器の手裏剣を手に取った。
「その嬢ちゃんも狙いかよっ!」
言い終わると同時に手裏剣を投げ、小十郎はしきを自分に引き寄せると右手で抱えあげた。
「、きゃっ」
「しがみついてろ!」
小十郎はそう言うと後ろに下がり、もうひとつ壁にかけてあった刀を手に取り、抜刀して構えた。
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