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日輪の神様へ 後書

宗長)Oh, my got!!
小十郎)スペルそれでいいのですか
宗)口調分からねぇ!!ていうか親就むずっ!
小)まぁ、オリジナルでは険悪の仲の上に敵ですからね。そもそも瀬戸内だったんですか
宗)瀬戸内だったんだよ。これでも毛利は俺ん中で相当デレたぜ
小)そうですか。…ところで、次は「もうお前を離さない」の続きをやるのですか?
宗)あぁ。誰のルートを元に話を進めるかはまだ確定しちゃいないが
小)では、いつから
宗)「もうお前を離さない」の続編は5月1日から始めたいと思います!また長い夢小説に戻りますが、お付き合いいただけたら幸いです!

日輪の神様へ33

―エピローグ―

「長曾我部と毛利が手を組んだそうだよ、秀吉」
「…何?あの二人がか?」
「どうやら少しばかり厄介な事になりそうだよ。まぁ、それでも君の相手じゃあない」
「うむ。…問題は三成よ」
「……確かにそうかもね…」




「刑部」
「久しいな三な……いかにした三成。漸く身体が回復したと聞いたが斯様に落ち込むとは…槍の雨でも降るか」
「…長曾我部と毛利の事を聞いたか」
「…あぁ、同盟を結んだそうだな」
「…あの時私が妖怪に捕まりさえしなければこのような面倒な事にはならなかった!!私のせいで半兵衛様と秀吉様に…あああああ」
「落ち着きやれ三成、主の気持ちは分かった、だから落ち着け。…やれやれ、呼び出されたワケはこれであったか」




「厳島!厳島出てこい!」
「喧しいわ。社での謹慎は貴様が命じた事であろう。それとも天照大神がどうかしたのか」
「紀之介が部屋に籠もったまま出てこない、私はどうすればいい?!」
「はぁ?話をしたのではなかったのか」
「した。そしたら何故か真っ赤になってそのまま部屋に閉じこもってしまったのだ!」
「……佐吉よ、主が何を言ったのか知らぬが今一つ抜けている所は変わっておらぬようだな」
「?!どういう意味だ?!」




「元就」
「何だ」
「斥候から知らせがあった。豊臣が出陣の用意を始めてる。それと、大谷吉継ってぇ野郎が豊臣の野郎と合流した後、すぐ離れたそうだ」
「その者の足取りは?」
「中国方面に向かってるってよ」
「…恐らく豊臣は先に四国を攻めるであろうな。別動隊は尼子の元へ向かったはずだ」
「尼子に中国を攻めさせる、ってか」
「…そういえば富嶽はどうした?増強したと聞いたが」
「富嶽弐式の事か。完成してるぜ」
「ならば何も問題はない」
「はははっ、心強いな」
「……、元親」
「あん?」
「…死ぬでないぞ」
「…お前もな!」
「ふん」




毛利は船へ戻る長曾我部の背中を見つめた。
まさか、神に攫われた自分の元に長曾我部が来るとは思わなかった。きっかけがなんであれ、神を敵にすると分かった上で迎えに来た長曾我部に毛利は確かに喜びを感じた。
「………ふ」
毛利は薄く笑い、日輪を見上げた。
「やはり我は貴様の物にはならぬ。…、あやつ以外の物などには、な」
そう呟いた自分にも笑いながら、毛利は来たる戦に向け、踵を返した。










END

日輪の神様へ32

港に長曾我部の船が入港すると、何人かの毛利の部下が興奮したように長曾我部に駆け寄った。
「長曾我部殿!毛利様がお目覚めに!!」
「おう、知ってる」
「は…。…え?」
「細けぇ事は気にしなさんな。起きたての所悪いが、早速邪魔させてもらうぜ」
長曾我部はにっ、と笑ってそう言うと、目をぱちくりとさせている部下に目もくれずに城に走って行った。
残された長曾我部・毛利の部下達は顔を見合わせる。
「…長曾我部殿も分かってたな」
「…お二方、なんで分かるんだ…?」
「さすがアニキだ!」
「あ、そういやあのお稲荷さんの話が本当なら、元就さんは神様に攫われてたみたいでしたぜ?」
「は?!か、神?!」
後ろに聞こえる騒ぎも気にせず、長曾我部はただ走った。


 「元就ー身体平気かー?…その様子じゃ、床擦れでも出来たのか?…ぶっははははは!」
「くっ…!笑うでないわ!」
毛利の自室に到着した長曾我部は手当てを終えたばかりの毛利に小さく吹き出した後、毛利の隣に座った。
「大丈夫か?」
「大した事ではない。…貴様こそ、豊臣との戦で出来たその傷、大丈夫なのか」
「あぁ、大した事ぁねぇよ。身体に戻った時はやたら痛んだけどな」
「……我もよ。未だに痛むわ」
毛利はこてんと長曾我部にもたれかかった。珍しく甘えを見せる毛利に長曾我部は口元が弛みそうになるのを堪えながら、ぽんぽんと頭を撫でた。
「…、なぁ毛利、お前はよかったのか?」
「くだらぬ。我は毛利の安寧が確実になるまで死ねぬわ」
「ははっ、まぁそりゃそうだ。でも俺嬉しかったぜ?」
「?」
「俺を欲するのは利でないって奴だよ」
「…!あ、あれはその場しのぎよ!!早に忘れるがよい!」
「嘘でも忘れらんねぇなぁ」
長曾我部はひとしきり笑った後、ふいに毛利を振り返った。
「ずっと言おうと思ってたんだがよ、元就。…、同盟組まねぇか、いい加減」
「……同盟か」
「豊臣と戦ってみて分かったが、俺一人じゃ野郎には勝てねぇ。…だけどお前がいれば、勝てる」
「…。よいだろう。同盟の件、承知した」
強い目で己を見る長曾我部に毛利はふ、と笑い了承した。その答えに長曾我部も笑う。
「…なぁ元就、…口吸いしてもいいか?」
「…ふん…好きにするがよい」
少しばかり照れたように言った毛利の唇に、長曾我部は静かに自分のそれを重ねた。














「ふん。お熱い事ぞ」
そんな二人の様子を、稲荷は天界から見下ろしていた。銀稲荷がいなくなり手持ちぶさたになった為にたまたま下を見たら、そうなっていた。
天界にいた時は一度も見れなかった毛利の笑い顔に、稲荷は記憶を消さずによかったと、そう思った。
「我に愛は分からぬ。それの為に命をかけ、死ぬことをもいとわない。愛とは何ぞ?」
「それに答えを出すのは難しいであろうなぁ」
「!…何ぞ、話は済んだのか」
「いや、話は途中だ。だが、天照大神が佐吉を連れていってしまったのでなぁ」
「大丈夫なのか?」
「何、守りの呪布は持たせた。…おぉ、人の接吻なぞ、久々に見たな」
「…紀之介よ。貴様は愛とはなんだと思う」
「我にとって愛など偽善よ。依存の形とも言えるがな。どれだけ愛を囁こうとも必ず終わりは来る。くだらぬ事で壊れる愛もある。…我にはあやつらの愛は分からぬなぁ。…我は佐吉が大好きだがな」
「それは愛ではないのか?」
「分からぬのだ。…我はあやつらのような愛を受けたことは無い故」
「そうか」
稲荷は小さく呟いて、のぞき穴をふさいだ。

日輪の神様へ31

「幼いのによく出来たな」
「人が生まれ持った力は幼い頃が最も強い。歳をとるにつれ弱くなっていくものだ。幼い時は力の使い方も知らん、身を守る為に神をも越える力を見せることもある。……おまけに紀之介は人柱として密室に閉じ込められ、精神状態も限界だった、だから、…目の前に狐が現れて、漸く何をしたのか気が付いたそうだ。“自分が食べられるべき神を殺してしまった”、とな」
「…?ならばなぜ生きておる?毛利に殺されてもおかしくない。そしてどうやって比叡に?」
「その妖狐が比叡に連れてきた」
「は?なぜ」

「その稲荷な。私の父だったんだ」

「…。何ぃぃ?!」
目を真ん丸にし、尻尾を逆立たせた稲荷に銀稲荷は小さく吹き出し笑った。
「私は父に幼い紀之介を延暦寺の境内に置いておいてくれと頼まれただけだったから、事実はすぐには分からなかったがな。すぐどこかにいなくなっちまったし。…、紀之介もどこかで私の父だと知ったのだろう」
「…なのに友情が芽生えた、か」
「馬鹿を言え。元は人を食う上に事実を紀之介に伝えなかった父が悪いのさ。紀之介は悪くないし、それを言うなら私は逆に紀之介に謝るべきさ。…紀之介は自分のせいだと思ってるから、なかなか言い出せなくてな。銀稲荷と呼ばれるようになって、私と父とは関係なくなったのに」
どこか寂しそうにそう言った銀稲荷に、稲荷はふいと空を見上げた。空といっても、何もないただの青だ。ここには日輪も雲もない。それは足下にある。
「…。毛利の為に命をはった長曾我部を、果たしてあやつはどう見ていたのだろうな。自分の人生を変え、友人とも隔たりを感じさせるはめになった、両人を」
「…さぁな。ただ、紀之介はだからと言ってそいつらの子孫まで恨むような事をする奴じゃない。……あいつらのように、私も紀之介との間に残るこの隔たりを、さっさと壊してしまいたい」
「…我らは人ではないから終わりはない。だが終わりがないから時間は腐るほどある。…時間をかければ、きっと為せる」
「……………、そうだな」
神に愛は分からない。嫌いなものがいないから。その代わりに与えられたのは永遠の時。
「…少しだけ、長曾我部が毛利に命をかけられる理由が分かった気がする」
「そうか」
「人は…いいな」
「…。さて、私は紀之介と話をするとするか!」
「うまくいくとよいな」
「ふふ、そうだな」





 「…!いでぇっ!」
「!アニキ!!」
「アニキが帰って来たぞー!」
その頃、現世の肉体に長曾我部が戻った。何故か痛む身体に涙が出そうになるのを堪え、長曾我部は横たえられていた身体を起こした。
「あの野郎、戻った時こんなにいてぇとは聞いてねぇぞ…!」
「アニキ、大丈夫っすか」
「あぁ、大丈夫だ。それより野郎共、船を出せ!豊臣が動く前に中国に行くぞ!」
「アーニキー!!!!」
いつもの声を背に浴びながら、長曾我部は薄く笑んで中国を見た。
「…元就」
そう小さく呟きながら。


 「ぐ…っこれは…床擦れか…っ!」
「…ん?…、毛利様ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「騒ぐでないわ!」
「もっ、申し訳ありませぬ!」
同時刻、肉体に戻った毛利はずっと寝かされていたために出来ていた床擦れの痛みにたえながら起き上がった。騒いだ部下を一喝し、ため息をつく。
「港に何人か向かわせろ」
「は…また、何故…?」
「長曾我部が来る」
毛利はそう言うと部下に背をむけ、小さく笑った。

日輪の神様へ30

「しかしまぁ無理をしたものよ」
紀之介は身体の様子を見ている銀稲荷に対し、大きなため息をついた。銀稲荷は気まずげな様子を見せながらも、ふんと鼻を鳴らした。
「うるさい。仕方ないだろう」
「まぁ斯様に早く帰ってくるとも思っておらなかったがな」
「天照大神も情には弱いのであろう」
「ひひひっ、恨み程損な物は無いものなぁ」
「…元親、あの紀之介という者、…あれが素なのか?」
「多分…素だと思うぞ」
紀之介は毛利と長曾我部の言葉を聞くとまた、ひひ、と笑った。
「芝居をしていると思うたのか?ひひひっ、まぁ無理はない、我は普通ではないからなぁ。だが毛利元就、主も十分、普通ではないと思うのだが?」
「…?」
「全てを駒と見なし家の為に生きる。非情だが武将としては極めて優秀よ。そのような主が、よもや長曾我部のような男に絆されるとはなぁ」
「!貴様、我を愚弄するか」
「愚弄などしておらん。…ただ、主はもう家の為にのみには生きれぬぞ?」
「…毛利の名は今や揺るがぬ!」
「……、それに、元就の事は俺が守る」
「!!元親、」
「元就、戻ったらすぐに豊臣と戦になるぜ。そん時は俺も一緒に戦う。お前がいれば山猿なんざ目じゃねぇ」
「………ふん、」
満面の笑みを浮かべ言い切る長曾我部に毛利は小さく鼻を鳴らしたが、その顔はどこか綻んでいる。
「ひひ、まこと人は面白い。…故に憎めぬ」
「…?」
「長曾我部、毛利、下界に戻す!外に出ろ」
意味深な言葉を吐いて俯いた紀之介を問い詰めようとした毛利だったが、その前に銀稲荷に連れ出され、それは叶わなかった。




 「…紀之介とやら。貴様何があったのだ?」
「藪から棒に何を言う厳島の松寿丸」
「しょっ…何故我が妖狐名を知っておる!!」
「佐吉は主の事をここではそう呼んでおる」
「…左様か。…で、何があったのだ?」
「……………。久方ぶりに人を見て思った。我はここにいるべきではないとな」
「?」
紀之介の目は庭の長曾我部と毛利、そして銀稲荷に向けられている。稲荷は座る紀之介の隣に座した。
「…我は神を殺した」
「?!な、何を言っておる!神は不死身ぞ!」
「アレは殺したようなものよ」
「…、神になる前に戻るまで力を使わせた、という事…か?貴様一体何者なのだ」
たまげた、と小さく呟きながら稲荷はそう尋ねた。
紀之介はしばらく黙っていた。長曾我部と毛利の姿が消え、銀稲荷が振り返ると目が合い、びくりと身体を揺らし目を逸らした。
「…?」
「…厳島!いや、松寿丸!…ちょっと来てくれ」
「?…分かった」
稲荷は紀之介の様子を気にしながらも、紀之介を置いて家を出た。
 稲荷は銀稲荷に案内され、家の中からは見えなかった庭の一角の小さな東屋に座らされた。
「紀之介はな。毛利配下の国に住んでいたんだ」
「!…神を殺した、と言っておったが」
「…紀之介は長曾我部が毛利に対し戦を起こした際、勝利の為に人柱として捧げられたんだ」
「?!…い、生け贄だと?あの辺りに勝利の神はいなかったはずだし、…その時我はすでに稲荷になっていたがそのような物は見ていないぞ」
「あぁ。人は建前さえ作ればよかった。…通りすがりで人を食うのが好きな稲荷が、紀之介を見つけた。…その時紀之介はまだ幼く…恐怖からその稲荷を妖狐に戻るまで追い詰めたんだ」
「…よりにもよって、稲荷だったのか」
銀稲荷は頷いた。
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