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もうお前を離さない294

「まぁ一応やったルートだし、巷じゃ人気なルートだし…?」
「人気?!なんで!!」
「る、るぅと?」
「…、独眼竜…」
宮野は怪我はどうした、と言いたげな真田と訳が分からないといった表情をしている長曾我部、そしてどこか思い当たる節があるらしい徳川を振り返った。
「まぁその辺の事は置いといて、と。長曾我部緑ルートなのは分かったけど、なんで芽夷が2人とやりあってたの?しかも左足さくっと切れてんじゃん!!」
「これは別に…。…、2人が死んだら大谷さんが長曾我部をはめた事を知る人間はいなくなる、だから…」
「…存外物騒な事を思いつくな…」
「だって…!」
くしゃりと村越の顔が泣きそうに歪む。宮野は困ったように笑うとぽんぽんと村越の肩を叩き、そしてそれから長曾我部を振り返った。
「う。す、すまねぇ…」
「や、別に。痛みには鈍感なんで。そもそもこの程度で謝られるとこっちが困るんですが。私西軍ですよ?あなた今はある意味東軍でしょ」
「…う、」
「それとお久しぶりですね徳川家康」
「え?」
「…宮野殿…」
そうだな、と言って徳川は先ほどの宮野のような困った笑みを浮かべた。くすりと宮野は笑う。
「長曾我部と仲直りしたんですね」
「…、君を返した後、文を出したんだ」
「ふむ。で、今に至る、と。まぁ長曾我部さん短気なんでストッパーありがたいですけど、ぶふっ」
「そこ笑うトコ?!」
「た、短気…」
「短気じゃないと?もっと冷静な人ならこんな事で騙されませんよ」
「な、な…」
「それに友達なんでしょ?だったら、手紙が拒否されても会いに行くのが普通じゃない?」
「………………」
「まぁ文持ってた兵殺したのは大谷さんだけどね」
「え?!」
「黎凪…お主どちらの味方なのだ…」
石田側をフォローしているのか長曾我部側をフォローしているのか釈然としない宮野に真田はどこか呆れたようにそう言った。宮野はくすと笑う。
「私はどちらの味方もしてないよ。さて、と。三成さん」
「…、………」
「貴方はどうします?」
「待って黎凪、…知ってるルートなら教えて。大谷さんはどうしてこんな事を?」
「…大谷さんが言ってないの?」
宮野はやっぱり?と言いたげな顔で大谷を見た。大谷は肩を揺らして笑う。
「ヒヒ…口外するつもりはない故なァ」
「…確かにちゃんとは言ってないんだよね大谷さん。私も正確なトコは知らない」
「…ッ」
「…、まぁ、他の大谷さんルートから推測することはできるけど」
「それでいい!」
「本人が言わないっつってんのに?!」
「だってそれは、あくまで黎凪の推測でしょ?大谷さんが本当にそうだったかという証拠はないんだから、別に平気でしょ?」
「……。まず1つは戦力の確保」
宮野はやれやれとため息をつくとそう話し始めた。戦力の確保、という言葉にぴくりと石田の体が跳ねる。
「…戦力…の、確保……」
「この戦の始まりは徳川が豊臣秀吉を倒したことから始まる。武力によって日の本を統べていた太閤を徳川は武力をもって倒したんだ、徳川と太閤の左腕、どちらが有利かと聞かれれば、どっちだ?」
「……武力でいえば、徳川…」
「それに、三成さんは真っ直ぐすぎる性格のせいで衝突が多い。徳川は寧ろその逆だ。さて、人格的にも有利なのは?」
「……………………」
「要はそういう事。何も行動を起こさなかったら、確実に東軍に流れる武将が多くなり、西軍は不利になる」
村越は宮野の言葉に唇を噛んだ。
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