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見えないはずの右目が44

冷やかす雪之条を叩いていると、不意に人の気配がした。
「片倉小十郎殿。奥方様がお呼びでございます」
「「!!!!」」
「…………」
「至急に参れとの事でございます」
梵天丸の顔が心なしか青ざめた。小十郎はちっ、と舌打ちをする。
「…雪之条。梵天丸様を頼むぞ」
「……了解っす」
「…まだ小十郎を…?」
梵天丸はぎゅ、と小十郎の着物を掴んだ。小十郎は梵天丸に微笑んでやる。
「分かりかねますが安心してくだされ。小十郎は必ず戻ります故」
小十郎はにっこり笑うと迎えに来た小姓について、義姫の部屋へ向かった。

「…それにしても奥方様が…」
「…」
雪之条は少し困ったような表情を浮かべた後、さっき作っていた人形を取り出した。
「?それは…?」
「稽古中に疲労で居眠りしちゃった小十郎様っす!また作ってみたんすけど、まだ途中なんすよ。一緒に作らないっすか?」
梵天丸には雪之条が梵天丸の気を紛らわそうとしているのがよく分かってしまった。
「…やっぱり小十郎の部下なんだなぁ…」
「?なんすか?」
「ううん、なんでもない。やる」
梵天丸は弱々しく笑いながらも頷いた。
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