スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

見えないはずの右目が38

「と、る…?」
「…不可能な事ではないのでは、と。無論眼球を取るなど激痛を伴うと思われます。されど…「…そうか。取ってしまえば…」
梵天丸が何か小さく呟いた。何を言ったのが尋ねようとした小十郎の脇差しを突然梵天丸が抜いた。そして、その脇差しを小十郎に突き出す。
「突き潰せ、小十郎!」
「なっ…!?」
突然の言い出しに、言い出しっぺではあるものの小十郎はかなり動揺した。
「さ、されど…」
「こんな右目はいらない…!!そ、それに…母上がこのまま黙ってくれるとも思えない…」
「………、」
「………頼む小十郎…」
カタカタと脇差しが音を立てる。梵天丸の強い意志を宿す左目に、小十郎は深呼吸を一つすると脇差しを掴み、抜刀した。その手も、微かに震えている。小十郎はぎっ、と強く脇差しを握った。



「……御免!」



城に、梵天丸の絶叫が響き渡った。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2010年01月 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31