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見えないはずの右目が42

「……あの、小十郎様…?」
「!そういえばお前は…?」
「!!も、申し遅れました、栗下雪之条っす…じゃない!」
癖で"っす"と言ってしまったのを後悔しているらしい。ポコポコと自分の頭を叩く雪之条に梵天丸はその目をぱちくりさせている。
「梵天丸様、こいつはその人形を作ったものでございます」
「!小十郎人形を?」
ぱあっ、と梵天丸の顔が明るくなる。小十郎は未だに頭を叩いている雪之条を止める。
「梵天丸様御前でいつまでそんなことやってるつもりだ?」
「!!!!す、すんません」
「なぁなぁ、小十郎は普段どんな男なんだ?」
嬉々とた様子で尋ねる梵天丸に小十郎は困ったように天を仰いだ。
「小十郎様っすか?怖くて優しい御方っす」
「怖いのに優しい…?」
「おい、雪…「稽古の時はそれはもう鬼も逃げ出しそうな勢いっすから。でも畑「それは言うな!」
梵天丸に隠していた事を暴露されそうになり、小十郎は慌てて雪之条を止める。梵天丸はきょとんとした目で小十郎を見上げた。

…隠し切れそうにねぇな…

小十郎は胸の内で小さくため息をついた。
「はたけ…?」
「……………」
「…畑?小十郎畑で何を?」
「う…それは、…畑仕事を…」
結局梵天丸の眼差しに小十郎は負けた。
「野菜を育ててるんすよ、小十郎様」
「野菜を?」
「小十郎様の趣味っす」
「小十郎が…野菜…」
梵天丸はぷっ、と小さく吹き出した。小十郎はその顔を珍しく真っ赤にさせていた。
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