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Not revolved transmigration 104

「某は真田幸村、この部屋に住む伊達政宗殿の友人にござる」
「ホゥ…何故主は亡者を呼びてたまわる…?」
「へっ?今のまさか、亡者ワシら?!」
「ま、待ってくだされ家主殿!我らは貴殿に用があって参った次第!」
「む…?」
南部は真田の言葉に不思議そうに真田を見た。
「貴殿は、尼子晴久殿をご存知でござるか」
「………。うむ」
「その方より、貴殿が隠れ家にもってこいの場所を知っていると聞き及び、参った次第にござる」
「…………、あぁ」
「どうしても必要なんだ。貸していただけないだろうか?」
「…晴久は何をしてたまわる?」
南部は少し首をかしげてそう尋ねた。真田と徳川は思わず互いを見やる。
「…尼子殿は今、宇都宮先生…宇都宮広綱殿を、守るため戦っておりまする」
「!……………」
南部は驚いたように真田を見た後、ふむ、と小さく納得したように頷いた。
「ついてたまわれ…」
「!」
「…まずは感謝を!」
真田は少しほっとしたように笑い、徳川はそう言った。

 南部に案内されて移動したのは上野だった。
「…上野か。また微妙な所だね」
「上野の山にあるのでしょうか」
「ホゥホゥ…」
「………」
「片倉殿」
真田は後ろからついてきている片倉が塞ぎこんでいることに気がつき、すす、と近寄った。話し掛けられた片倉は僅かに驚いたように真田を見た。
「…如何なされた?」
「……政宗が心配なだけだ」
「!…………」
「…馬鹿をやらないといいんだがな…」
「…そうですな」
片倉は真田の言葉に力なく笑った。真田はうまい言葉を見つけられず、俯いた。
その時ちょうど到着したらしい、ざわりと前が騒がしくなった。
「…ここを使いたまわれ」
「ここ?!」
「あ、本当に家ある!?」
上野動物園の近くに、五條天神社という神社がある。南部の知る隠れ家というのは、その神社の境内から入ることのできる地下室だった。確かに隠れ家にはもってこいだ。
「…すごいでござるな」
「…なんでこんなもん持ってんだ…」
「…真田幸村」
「は、はっ?」
追い付いた二人がそう言いながらその室を見下ろしていた時、南部が真田の名前を呼んだ。真田は僅かに驚きながら振り返った。
「…願わくば晴久を守りてたまわれ……」
「…!承知いたした!!」
「………ではな」
南部は真田の返答に安心したように頷くと、くるりと背を向け去っていった。
真田は小さく笑うと片倉に続いて地下室に入った。



 一方、その頃伊達達は、というと、警察の家宅捜索、正確には家宅ではないのだが、それが始まり、豊臣達は会議室で待機していた。
「…政宗よ」
「What??」
「何故戻ってきた?」
豊臣はそう伊達に尋ねた。伊達はちらりと豊臣を見た後、ふいと目をそらす。
「…別に。ただ何となく、ここに残るべきだと思っただけだ。それとも迷惑だったんすか」
「そんな事は一言も言っていない。少し意外だったからな」
「…そうですか」
「なぁ社長ー」
少し離れた所から長曽我部が間延びした声で豊臣を呼んだ。携帯などの電子機器は持ち込み不可で、なかば無理矢理連れてこられたために手持ち無沙汰で暇しているようだ。毛利も暇そうに長曽我部にもたれ掛かっている。
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