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Not revolved transmigration 98

だが石田は、自信満々な最上に対しにやりと笑った。最上はきょとんと石田を見る。
「油断しているのは貴様だ」
「ななな、なんのことかね?」
「隙ありっ!」
石田の言葉に最上が僅かに焦った時、にゅ、とトランクから手が伸びて最上の頭に大きな辞書を落とした。
「ぶっ!」
最上は変な声をあげて昏倒した。トランクから顔をのぞかせた毛利はにやりと笑う。
「他愛ないわ…!」
「よかったー、元就見つかってなかったか!」
「助かった。おい、これはどうする」
「置いてこうぜ、もしかしたら侵入者に間違えてくれるかもしれねぇ」
「そうだな」
長曽我部の提案に石田は最上を持ち上げるとぽい、と車外に放り出し、ケータイを開いた。


 「!」
鳴り響いたコール音に、竹中は素早くケータイを取り上げた。
「三成君!」
『はい。センサーに当たりはしましたが、無事脱出しました』
「よっしゃ!」
「うおおおおお館様ぁぁぁぁ!!」
「静かに」
『あと、最上がいましたが捨ててきました』
「なにそれ…?とりあえず、早く帰っておいで」
『はい』
石田はすぐに電話を切った。竹中は安心したように息を吐いた。同じ部屋にいる伊達、真田、豊臣も安堵の表情を浮かべる。
「…一先ず成功と見て良さそうだね」
「うむ」
「一体何が隠してあったんだろうな…」
「さぁね、それは分からない。今は三人の帰りを待とうか。お茶淹れるよ」
「?コーヒーじゃなく?」
「日本人には珈琲のカフェインはあまり眠気覚ましにはならないんだ。緑茶の方が効果あるんだよ」
急須を片手に持ちながら竹中は伊達を振り返り、にこりと笑った。竹中の言葉に伊達と真田はほぅ、と呟く。ちなみに徳川と片倉は寝ている。
湯飲みにお茶を注ぎ、竹中は三人の所へ戻ってきた。
「…そう言えば、不忍の三人はどうだい?」
「うむ…風魔はまだよく分かりませぬが、少なくとも佐助は味方でござるよ。人を殺せと命を出した松永に、大層怒っておりましたゆえ」
「…そう。まぁ逆スパイだとしても、構わないけどね。僕は僕なりにやらせてもらう」
「ピュー、かっけぇの」
真田は黙って湯飲みを持ち上げた。
そんな真田に気がついた伊達は、すすす、と真田に近寄った。
「…信用されてねぇのが辛いのか?」
「はぇっ?!あ、いや…まぁ、気分のいいものではありませぬが、仕方ありませぬ」
「今アイツらは?」
「佐助が起きて見張っていまする」
「…………」
「政宗殿。あやつは某に嘘は申せど、某の意思に反することはしませぬよ」
「…ふぅん」
伊達は真田の言葉に目を細めると、湯飲みを両手で持ってふぅと息をついた。

 それから少しして、石田達が帰ってきた。竹中は疲れて眠ってしまっていた。
「石田先生!元親!元就さん!Good job!!」
「おぅよ!」
バシン、と伊達と長曽我部は勢いよく掌を合わせた。毛利は呆れたように肩を竦め、席に座った。
「社長。これが押収したUSBだ」
「うむ」
パソコンに接続して開く。ぱっ、とウィンドウに表示されたのは帳簿のようであった。
ざっ、とそれを流し読みをした毛利は、しかし、僅かに冷や汗を流した。
「これは驚いたな…日本政府の帳簿だ」
「!」
「政府だぁ?!」
「うむ。しかも、これが本当なら、総理大臣の汚職を証明するものになる」
「はぁぁ?!」
長曽我部はすっとんきょうな声をあげた。
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