スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

Not revolved transmigration 83

「はいはい、前田?」
相手を知らずに前田が電話に出たとたん、
『テメェッ、前田慶次!!』
「ぎゃあっ!」
どうやら大声で怒鳴られたらしい、片倉の声が離れた石田にも聞こえた上、前田は飛び上がって耳を押さえていた。
「おやおや」
「に、兄さん!」
「あ、はは…もしかして片倉さん?」
楽しそうににやりと笑った竹中を石田が諫めたと同時に、前田は恐る恐るそう口にした。
心配そうな雑賀に気がつき、着信をオンフックに切り替える。
『テメェどの面下げてこの電話取りやがった』
「あれ…滅茶苦茶怒ってる?」
ドスの効いた声に前田の顔に冷や汗が浮かぶ。
『松永も松永だが、テメェもテメェでよくも騙してくれたな。お陰で顔の傷が痛みやがる』
「Hey!あの顔の傷policeのせいかよ!」
「うわぁ君だれ?!」
片倉の言葉に次いで、バンと勢いよく扉を開けて伊達が部屋に入ってきた。前田は再び飛び上がる。
伊達の後ろからひょっこり顔をのぞかせた徳川が笑う。
「すまんな!帰ってきたと聞いて」
「な、なにさ、顔の傷って」
『テメェがお巡りだと気がつかなかった罰でな。口ん中までざっくり切られた』
「うわぁなにそれ!痛い!」
『…けっ。ま、テメェの上司よりはマシだったがな』
「…………え?」
片倉がぽつりと漏らした言葉に、前田と雑賀は固まった。
竹中と徳川は顔を見合せる。
「………。そんなに酷かったのかい?」
『…少なくとも、女だったら発狂してたな。或いは、その方が楽だったのかもしれねぇが』
「へぇ………」
「…アンタら警部に何したんだよ」
前田の声がワントーン低くなる。その様子に、何故か片倉は笑った。
『さぁな。知りたきゃ本人に聞きな。話さねぇと思うが』
「、アンタ!」
『今テメェに関わってる暇はねぇ。竹中!』
「何だい?」
竹中は前田からひょいと携帯を取り上げた。
『さっきの話だが真田が先行して追跡中だ。そっちに出てるか』
「!現れたのか?片倉殿」
『最上だ』
「あのイラッとくるおっさんか!」
伊達の言葉に前田と雑賀は驚いて伊達を振り返った。
驚いたのは、電話越しの片倉も同じだったらしい。
『知っているのか、政宗』
「え?あぁ、まぁ…」
「片倉殿、政宗が誘拐されそうになった時に会ったんだ」
『!そうか………』
「誘拐…?!」
「、んなのは今どうでもいいんだよ!姉さん、幸村は?」
竹中は伊達の言葉に、机の上に置いていた携帯を持ち上げた。
「………幸村君。どう?」
『うぇあっ?竹中殿にござるか?』
同じくオンフックにされたその携帯から、戸惑ったような真田の声が聞こえた。
『突然耳元で声がするから転ぶところでござった』
「幸村!最上のオッサン追ってんだって?」
『おぉ政宗殿!そうでござりまする!…む?』
「?!どうした幸村!」
真田の言葉に伊達はどこか焦ったように尋ねた。
『車から男が降りてきてこっち来るでござる』
「え?!」
「幸村君。今から僕が言うように答えたまえ」
真田の言葉に竹中は鋭くそう言い、社長室には緊張が走った。
『誰だお前は』
真田のインカム越しに、別の男の声が聞こえた。竹中はすぐに指示を出す。
「名前は名乗らないで、どうしようもなかったら高校生だと答えて。出来るだけ迷惑そうに、そして強気に。下手に出ないで、あと普段の口調じゃダメだよ」
『…。アンタこそ誰だ?車道に出るな、轢かれても知らないぞ』
「こ、こわっ」
竹中の指示通りにしてがらりと人が変わった真田に伊達は思わずそう呟いた。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2012年04月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30