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Not revolved transmigration 95

「何だってそんな手に出たんだ?大胆っつーか大雑把っつーか」
「……分かりませぬ。何かの策なのか…」
「…もしかして、風魔って野郎が逆スパイになってるとか」
「……逆スパイ…?」
伊達の言葉に徳川は眉間を寄せた。部屋に到着し、伊達はぼふんとベッドに座る。徳川は向かいのベッドに座って僅かに身を乗り出した。
「風魔が松永を裏切ったふりをして裏切ってない…ってことか?」
「考えられねぇことじゃねぇだろ。事実、風魔は秀吉さんを殺しにきたんだ。なにも言わねぇから俺達には分からねぇしよ」
「それはそうだが…」
「…豊臣殿なれば、左様な事を致しておるのは分かるでござろう」
「えっ?」
ぽつり、と真田が呟いた言葉に二人は驚いたように振り返った。徳川は思い当たる節があるのか、僅かに俯いた。
「…豊臣殿が何を考えておるかは分かりませぬが、豊臣殿も策は放っておるのでござろう」
「……めんどくせぇなぁ、情報戦って。その話はまた明日にしようぜ、眠い」
「…そうだな!おやすみ二人とも」
二人はそう言うとそのまま眠り込んでしまった。真田はくすりと笑うと自分もベッドに倒れこみ寝てしまった。



 翌朝。
「真田か」
「!お早うございまする石田先生!」
まだ寝ている伊達と徳川を置いて一人先に食堂にきた真田は石田と遭遇した。真田はにっ、と笑って石田に駆け寄った。
「一人か」
「徳川殿と政宗殿はまだ疲れて眠っておりまするゆえに」
「そうか。昨晩は遅かったしな。貴様は平気なのか」
「は!某は十分でござりますれば!」
真田の言葉に石田は面白そうに笑い、真田の向かいに座った。
真田はむぐむぐと白米を頬張る。石田はホットコーヒーに口をつけた。
「…、大谷さんは無事だろうか」
「…大谷殿は斯様な事で負けるお方ではございませぬ。少なくとも某はそうお見受けしもうした」
「………。私が今案じてもどうしようもないな。私は私がすべきことをするだけだ」
「!………、そうですな」
真田は一瞬はっとした表情を浮かべた後、薄く笑った。
そのまま二人は他愛ない会話を交わしながら朝食を終え、外の空気を吸いに屋上に出た。
「むぅ〜っ、さすが屋上は気持ちがよいですなぁ」
「学生の頃はよく来たな」
「なんと!左様でござったか!」
「金のない奴が睦事をしていた事もあったがな」
「な、な、な、破廉恥な!」
石田はフェンスに背を預けて空を見上げた。真田はそのとなりに座る。
「…侵入は今夜でござったな」
「あぁ。漸く一歩前に進むことができる。…巻き込んですまないな」
「何度も言わんでくだされ!…某は某が望むゆえにここにおるのでござる。先生が謝らねばならぬことなどないでござる!」
「……あぁ」
石田は薄く笑うと真田の頭を撫でた。思わぬ石田の行動に僅かに真田の顔が赤くなる。
「い、しだ先生…?」
「…何故か貴様を見るとこうしたくなる」
「うわわわわお止めくだされ!」
わしゃわしゃと勢いよく髪をかき回す石田に真田は慌ててわたわたとした。
と、そこへ、一服しにきたのか長曽我部が現れた。
「!よぅ、早いな」
「!お早うございまする長曽我部殿!」
「今晩は世話になる」
「いやいや、こっちこそよろしく頼むぜ。そんなことより、お前ら孝高見なかったか?」
「?」
「いえ、黒田殿を見かけてはおりませぬが。仕事では?」
真田の問いに長曽我部は肩を竦めてアンドロイドケータイ持ち上げ、電話も通じねぇ、と言った。
「まぁ本当に仕事なんだろうが、一つ聞きてぇことがあったんたよな」
「?」
「微分の計算についてちょいとな。偽造のコードの計算してんだがいまいちうまくいかなくてよ」
「!なれば石田先生を!」
「へっ?」
「私は数学教師だ。その作業手伝おう」
「!マジか、ありがてぇ!じゃあ早速頼む!またな!」
長曽我部はぱっと顔を明るくさせるとにかっ、と笑い、石田と共に屋上から出ていった。
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