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Not revolved transmigration 101

「…竹中、どう見る?」
「これだけの資料…織田院長はどうして所持していたんだろう」
「ま、他の議員を脅すのが常套手段ではあるが、あの唯我独尊男がかような小細工をするとは思えぬ。ただの趣味ではないのか」
「…死人に口無しだからね。僕にもどうにも言えないな。まぁそれはいい。親睦パーティーに備えようか。猿飛君」
「はいはいっと」
机の上に座っていた猿飛は竹中の言葉に机を降り、しゅばばばばっ、と掌を滑らせて紙を配った。それは何かの施設の見取り図だった。
「はーいごちゅうもーく。これは親睦パーティーが行われる会場の見取り図です」
「あ、俺ここ知ってる。ホテルニューオータニの鶴の間だろ」
「…ニューオータニ…」
「…なんでだろうなぁ、いらっとくる」
「安心しろ政宗、ワシもだ」
高校生三人衆が漏らした言葉に竹中は思わず苦笑した。
ホテルニューオータニ。東京都では千代田区日比谷高校側にあるホテルのことだ。確かに大谷と名前は似ているが全く関係はない。
猿飛はカラカラと楽しそうに笑った。
「安心しなよ。この会場はパーティーをやるようになってからずっと使ってる。大谷の旦那にもじったりとかしてないから」
「む…分かっておる!して、竹中殿!此度は誰が現場へ?」
キラキラとした目で真田がそう尋ねたとき、社長室の電話が鳴った。それを取った豊臣の顔が露骨に歪んだものだから、その場にいた面子は驚いたように互いを見やった。
「半兵衛。必要な者は誰だ」
「どうしたんだい秀吉!」

「警察が来ている。捜査でな」

「はぁ?!」
思わず長曽我部がすっとんきょうな声をあげた。
「ちっ!」
竹中はそう舌打ちするなり壁を殴った。竹中が見せる激昂に思わず豊臣以外の全員が飛び上がる。
伊達と真田、片倉、徳川も顔を見合わせた。
「…どういうことなんだ?だって尼子は、」
「いや、あくまで大谷は課長でしかねぇ。現場の捜査指揮権はあるかもしれねぇが、最終判断を下すのはもっと上だ」
「!…、もう入ってきてんならどうしようもねぇ。竹中さん!」
「なんだい!」
「考えるのは後にして今はここから脱出するべきだ!社員じゃないアンタ達なら顔が割れてないはずだ!」
竹中は伊達の言葉に僅かに落ち着いたようであった。
ふぅ、と息を吐き出すと、すぐに目を開いた。
「三成君、幸村君、家康君、片倉君、政宗君!移動するよ!」
「俺にideaがある」
名前を言われた面子が慌てて立ち上がったとき、伊達は静かにそう言った。
「俺がガキの時見つけた抜け道がある。そっち使った方が確実だ」
「…それは僕らでも通れるのかい?」
「十分通れる。警察がどこまで入ってきてんのか分からねぇし」
「…そうだね、それでいこう!秀吉、…鶴ちゃんは任せるよ」
「うむ、任せておけ」
豊臣の言葉に竹中は頷くと伊達に案内するよう促した。

 伊達の知る裏道は意外な所だった。新日本覇王は大きな会社だ。それ故に、電気回路が通る、謂わばパイプラインも大きく、そして豊臣は設計上それを一ヶ所に集めていた。
伊達の裏道は、そのパイプラインだった。
「うわぁ…凄いな」
「ここは結構頑丈に出来てるから、余程のことがない限り人は入ってこない。階段が途中まであるけど、後はパイプにそって降りるからな」
「楽しそうでござるな!」
「危ないことを…」
「行くぜ!」
伊達を先導に、六人は階段を降り始めた。螺旋階段になっているため、速くは進めない。
「このパイプラインを出たらどうなるんだい?」
「少し離れたとこにある客用の駐車場の側に出る。つっても予備の駐車場だからさすがに警察も来てねぇだろ!」
伊達はそう言いながら先を急いだ。
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