スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

Not revolved transmigration 93

「た、体育教師って…」
「子供みてぇな奴でよ。まぁでも、結構校内では人気だぞ」
「…そうか…」
尼子はどこかほっとしたように息をついた。片倉も薄く笑む。
「…しかし本当今回の事件内輪ネタだな…」
「……確かにな。ってことは、アイツは石田の同僚なのか」
「そうなるな。来たばっかの時一回だけ一緒に授業した事あったからか、仲良いみたいだぜ」
「…そうか」
「…確実に松永は知ってただろうな」
「!」
「そうだな」
尼子は、はぁ、と深く息を吐き出した。わしゃわしゃ、と、髪の毛をかき回す。
「……、尼子」
「それ聞いて安心した。俺も迷いなく裏切れる」
「!」
「……今日はこれでお暇させてもらうぜ。何か分かったら連絡する。あぁ、勘定は俺が持つ」
「………あぁ」
勘定を済ませ、ひらひら、と手を振って店を出ていった尼子に片倉は小さく笑った。
店から出て、先ほどのカフェの前に戻る。
「!政宗、片倉殿ッ!」
そこには徳川と、いつ来たのか長曽我部と真田が待っていた。
ぐっ、と拳を突き上げた伊達に三人の目は僅かに輝いた。
「上手くいったんだな!」
「あぁ…」
「よかった…!」
徳川はほっとしたように息をつき、真田はうおおおお、と小さく声をあげた。
伊達は二人の反応に肩を竦める。
「マジビックリしたぜ。今回内輪ネタすぎてもう」
「団扇寝た?」
「ま、細かい話は明日にしようぜ。姐さんも疲れただろ」
真田の頭をぽんと叩き、長曽我部はそう言って柔らかく笑った。片倉も僅かに苦笑を浮かべた。
「…助かる」
「よし、帰るぞおめぇら!」
長曽我部はそう言うと子供三人の頭をがし、と掴んだ。

 会社に戻った頃には11時を過ぎていたが、社長室にはまだ灯りが点いていた。駐車場に車を止めた所で長曽我部は首をかしげる。
「……先寝てろって言ったんだけどな」
「政宗殿達は寝てしまったでござる」
「あ?!仕方ねぇなぁ、幸村ぁ、悪いが政宗頼む」
長曽我部は呆れながらも片倉を左腕で姫抱きに、徳川を右腕で俵担ぎに抱えあげた。真田は伊達を背負う。
真っ暗な社内を、社長室に向かって静かに歩く。その時。
「大将!」
「!!さ、佐助!」
地下駐車場からエントラスにあがると、何故か受付ロビーに猿飛がいた。焦っているのか、息が荒くなっている。
「どうしよう大将!!小太が、かすがが…っ」
「?!どうしたのだ、落ち着け!何があったのだ?!」
「!…これが、帰ったら…」
猿飛は顔を真っ青にさせていた。真田は猿飛が持っていた封筒に目を見開いた。
「これは最上が置いていった…ッ!!」
「!」
真田は慌てて封筒の中身を取り出した。一枚の紙切れが入っていた。真田の上からそれを覗きこんだ長曽我部は目を見開いた。
「社長を殺せだぁ?!」
「かすが殿が人質に…?!」
「だから社長さんに会いに来たんだけど…ッ!」
「んなこと言ってる場合じゃねぇ!社長室行くぞ!おい、家康起きろ!」
長曽我部は徳川を起こすとエントランスのソファーに伊達と片倉を座らせ、徳川に二人を任せて床を蹴った。
 三人はエレベーターが動かないため、階段を全力で駆け登り、勢いよく社長室に踏み込んだ。
のだったが。
「…む。元親よ、驚かせるな」
「………社長っ?」
社長室には豊臣と風魔が確かにいたのだが、何故かそこに金髪の少女もいた。かすがだ。
「かすが!小太?!」
「!佐助!」
「…!」
二人は猿飛に気がつくとほっとしたように立ち上がった。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2012年04月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30