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Not revolved transmigration 84

『お前、俺達の後を追ってきているだろう』
「一笑して。あと口調は政宗君風にしてごらん」
「Hey竹中さん、微妙な気分なんだが」
『俺が?…はっ、何を言ってんだ。アンタ達が勝手に俺の前を走ってるだけだろ。被害妄想も程々にしろよ?』
「…真田が黒ーい……。そして確かに口調は政宗だ」
「…微妙な気分だ…」
伊達の言葉に竹中はクスクスと笑ったが、目は全く笑っていなかった。
『あくまでしらを切るつもりか、餓鬼!』
『しらを切るも何も、俺は本当の事を言ってるだけだぜ?』
「……、幸村君、揺すぶってみて」
『それとも何か?後を追われるような後ろめたい事でもしてんのか?』
真田は黙って竹中の指示に従う。声だけ聞いていると本当に真田が言っているのか怪しく感じてくるほどだ。
『!餓鬼が!生意気言いやがって!』
「追い払って」
『信号変わるし、さっさと戻れよ。いつまでも俺の前に立つんじゃねぇ、轢くぜ?おっさん』
『………ちっ』
電話の先で男が毒づいた後、離れていく音が聞こえた。
『……追い払ったでござる。如何いたす?』
少し間を開けて真田の声がした。口調は元に戻っている。
「お見事だったよ、幸村君。さて、君は一旦追跡を止めるんだ。次の交差点で適当に曲がって」
『されど…』
「片倉君とバトンタッチするんだ」
『!成る程』
「念のため君は片倉君の後を追ってくれたまえ。バイクについているナビで分かるね?」
『承知いたした!』
真田の返答を聞くと竹中はそちらの電話は切った。片倉の電話を繋げたままにしていた携帯に向き直る。
「聞こえていたね?」
『あぁ、任せろ。尾行は得意だ。何か変化があったらまた連絡する』
片倉はそう言って電話を切った。
竹中はふぅ、と息をついた。
「これでしばらくは大丈夫かな」
「……裏切ったのが片倉さんってのは聞いてたけど、随分と信用してるんだね」
「それが何か?」
ぽつりと溢した前田に竹中は冷たくそう言い放ち、ぎろりと前田を睨んだ。前田はそんな竹中を睨み返す。
すると、伊達が深々とため息をついた。
「……アンタらが姉さんに対して怒るのは分かるけどよ」
「、え」
「今、んな事言ったって仕方ねぇだろ?アンタ達が姉さんを憎んだって、大谷さんの痛みは消えねぇし楽にもならねぇよ」
「………!」
「ちげぇかよ、お巡り」
伊達はそう言うと前田をじ、と見据えた。その視線の強さに思わず前田は腰を引く。
伊達はふい、と前田から視線を逸らすと、長曽我部と石田に近寄った。
「どうだった?」
「ん?おう!なかなか手強そうだったぜ。元就、見取り図スクリーンに出してくれ」
「む」
毛利は長曽我部の言葉に電気を消し、壁にあるスクリーンに見取り図を投影した。
長曽我部は指し棒で屋敷の裏口を指差した。
「正面から行くのはまず無理だ。裏口を見てきたが、木戸が低い代わりに木がわっさわさ、夜行ったら何も見えねぇだろうな。道が分かってなきゃ進めねぇ」
「成る程。それで見取り図が必要になった訳か。暗視スコープとかあっても初見は無理かい?」
「暗いのもあるが、今日見た感じだとあちらこちらにトラップとカメラがあった。暗視スコープを装備しても、手がかりがねぇと時間が掛かりすぎる。しかもあの家、扉を開けないで入った場合すぐに警報が鳴る」
「!おや」
「キーを偽造出来ねぇこともないが多分バレる。あのシステムだと、最大騙せて30分ってとこだな」
「……すげぇな元親。そこまで分かったのか?」
関心した伊達の言葉に長曽我部はにやと笑った。毛利も肩を揺らして笑う。
「警備システムに関しちゃ、あらゆるトコのを徹底的に洗ったからな。な、元就」
「うむ、そうであったな」
「え?…………あ、そういうことか」
「???」
「まぁそれはいいんだ。とにかく、どんだけのプロでも簡単じゃねぇ。でも一つ気になることがある」
「なんだい?」
「警視庁に、大谷さんの偽者がいるんです」
「説明してくれるかい」
石田の言葉に竹中は前田と雑賀を振り返った。
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