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Not revolved transmigration 94

「……なにこれどうなってんの?」
思わず疑問が口を出る。豊臣がうむ、と頷いた。
「夕食の後、ボールペンが無くなってしまったから我が買いに行った。その帰りにまずこの女子を見つけた」
「見つけた…」
「どうにも拐われそうな様子だったから相手の男達を止めようとして、襲ってきたからとりあえず返り討ちにした」
「とりあえずで返り討ちかい!で、それで」
「半兵衛の妹が知っていたから、共に風呂に行った時に今度は風魔が襲ってきたからとりあえず捕まえた」
「さらっと言うなぁおい!風魔は社長の事殺しに来たんだぜ?!」
「む。そうだったのか。まぁ大丈夫だ」
「っだぁー、全力疾走して損したぜ」
長曽我部は大きく息を吐き出し、疲れたように椅子に座った。一方のかすがはおろおろとしている。
「え、な、え、小太が殺しってなんだ、佐助!」
「ちょっとややこしい話なんだ。終わったら話すから」
「!佐助お前、」
「それより小太郎!かすがをちゃんと守れって言っただろ?!」
「……………」
「佐助!小太郎!なんの話なんだ?!」
慌てふためくかすがに、真田はその肩を掴んだ。かすがは驚いたように振り返る。
「?」
「かすが殿にござるな。……されど今は、聞かんでやってくだされ」
「え…?というより、お前は…?」
「某の名は真田幸村にござる」
「!お前が…」
かすがは僅かに驚いて真田を見た後、僅かにうつむき、頷いた。
片方は無言でという謎の言い争いをしている猿飛と風魔には長曽我部が怒鳴った。
「あーもううるせぇよッ!変な喧嘩してんじゃねぇ!」
「…すいませんねー」
「…………………」
猿飛と風魔は長曽我部の一喝に言い争いをやめた。長曽我部はふぅ、とため息をつく。
「ったく、今から帰んのか、お前ら」
「いや、帰らぬ方がよいであろう。殺しにいって失敗したのに普通に生活はできぬ」
「それはそうだな。…でも部屋がないぜ?」
「孝高と吉継が使っていた部屋が空いている。和室だから三人でも大丈夫だろう」
「!孝高いねぇの?」
長曽我部は僅かに驚いたようにそう尋ねた。
「仕事が入ってしまってな。そういうわけだ、案内してやってくれ。そういえば、政宗達はどうした?」
「エントランスで寝てるよ。家康起こして任せてきたから大丈夫だって。じゃ、部屋案内したら俺は風呂入るわーおやすみ社長。行くぞ不忍兄弟!」
「うむ」
豊臣は長曽我部の言葉に頷き、立ち上がった。
真田は猿飛達を先に行かせ、豊臣を振り返った。
「…強さは相変わらず、のようでござるな」
「まぁな。貴様とてそうだろう」
「…勝機はあるのでござるか?」
豊臣は真田の言葉に小さく笑った。笑われた理由が分からず、真田は首をかしげた。
「半兵衛の策に負けはないわ」
「!!」
「我はそう思っている」
豊臣はそう言うと、ぽふ、と真田の頭に手を置いた。
「貴様は己がなすべきことを見据えておけばよい」
「…そうでござるな」
真田はそう言うと小さく笑い、部屋を出た。

 「…眠い」
「今少し頑張ってくだされお二方。風呂は明日入るとはいえど、きちんと布団で寝ねば!」
「しかし、秀吉公の命を狙ってくるとはな…」
「!………」
「……確かに」
三人は部屋に向かいながら、お互い顔を見合わせた。
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