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Not revolved transmigration 100

「冤罪にしようとしているらしいんだよな。もしかして、秀吉公に罪を着せようとしているんじゃ?」
「片倉君のように身代わりに、かい?」
「あぁ。ワシは松永が親睦パーティーの同伴を引き受けたのが不思議なんだ。こんな時にだぞ」
「つまり君は松永は親睦パーティーに僕達が小細工を仕掛けることを見抜いていて、僕達を表舞台に引きずり出すために敢えて参加した、と言いたいのかな」
「その通りだ、半兵衛殿」
徳川の返答に竹中はふむ、と呟きコーヒーに口をつけた。徳川は竹中の言葉を待つ。
「…そうだね。僕もそう思うよ」
「!本当か、半兵衛殿」
「君に嘘ついても意味ないでしょ。ただ僕は、晴久君の裏切りはバレていないと思う」
「!それはまた、何故?」
徳川の言葉に竹中はくすくすと笑った。その所作に首をかしげた徳川に、竹中は手を己の胸に添えた。
「…君になら分かるはずだ。人はね、家康君。守りたいもののためだけに、本当の嘘をつけるんだよ」
「!」
徳川は竹中の言葉に固まった。竹中はカップをソーサーに戻し、足を組み直した。
「晴久君の松永を騙す演技は、バレない。元々彼は孫市君達以外には気づかれないほど、演技が上手いんだから」
「…半兵衛、殿………」
「なんだい?」
僅かに顔を青ざめた徳川に竹中は清々しい程の笑みを返した。わざとやっているのか、それとも。
「君は君自身に嘘をついたじゃないか」
「…違う、嘘なんかじゃ…」
「へぇ?…じゃあ何を怯えているんだい?」
「違う!あれがワシの意思だ、嘘じゃない!」
思わず徳川は声をあらげた。隣のテーブルにいた石田が不可解そうに徳川を見た。
「…どうしたんです?兄さん」
「何でもないよ。ねぇ、家康君?」
「…………。あぁ、何でもないです」
「………」
「さ、秀吉の所に行こうか」
竹中はそう言うと席をたった。

 「USBに入ったデータを全て見てみたが、一番多いのは帳簿だ。汚職や脱税、横領などの証拠品となりうるものだ」
その後、社長室ではミーティングが行われた。毛利はスクリーンに写したパソコン画面をそう説明した。
「これ、今の大臣レベルの人ばかりだね。松永の目的は政権交代?」
「考えそうなことだが、おそらく政治的意志はねぇだろう。そういうのに興味ないからな」
「ふむ」
片倉の言葉を受けて、竹中はスクリーンを見上げた。
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