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Not revolved transmigration 102

「でもよ、ここでてどこ行くんだよ?!それに不忍達置いてきたぞ!」
「あやつらは平気にござる!佐助が後で落ち合うと」
「落ち合えんのか〜…?」
「あいつが大丈夫だと言ったなら大丈夫にごさる!」
階段を出来るだけ音を立てないように駆け降りる。徳川は続く螺旋階段に目を回したらしく、石田に背負われている。
「…政宗君。君、僕になにか言いたいことがあるだろう?」
「はえ?竹中殿?」
「…後でな。おい家康起きろ!階段終わったぞ!」
伊達の言葉に一同は前を見た。確かに階段は終わっている。パイプは下へ下へと続いている。そして所々に、足場となりそうな突起がある。
竹中はげ、と呟いた。
「…まさかあれ、降りていくの?」
「そうだ。案外大丈夫だから俺の後ついてこいよ!」
伊達はそう言うと突起に足を掛け、するすると降りていく。
「…仕方ないね」
「危ないことを…」
竹中と片倉はそれぞれため息をつきながら伊達に続いた。

 十分ほどして、最下層にたどり着いた。どうやら本当に盲点だったらしい、誰も覗きに来るものはいない。
「この扉出たら後は道なりだ」
「?伊達?」

「竹中さん。俺はここに残る」

「政宗殿?!」
真田は驚きに声をあげたが、竹中は分かっていたように微笑んだ。
「どうしてだい?」
「…俺は秀吉さんの息子だ」
「!」
「今回の事は俺が引き起こした事だから、本当は俺が決着を着けなきゃならないかもしれねぇ。でも俺は、ここに残るべきだと思うんだ」
「…」
「秀吉さん達に罪を着せやさせねぇ。今まで守ってもらってた分、今度は俺が守る」
伊達はそう言って竹中を見据えた。竹中は伊達の言葉に頷いた。
「分かった。秀吉達は任せるよ」
「!竹中殿!」
「早く行け!パイプの振動でわかる、誰か近づいて来てる!」
伊達はそう言うと竹中達を押した。真田を押したとき、伊達は真田の耳に口を寄せた。
「勝手を承知で頼む。…姉さんのこと、任せるぜ」
「…!必ずや!」
真田はそう言うと肩を掴む伊達の手に己の手を重ね、パイプラインから飛び出していった。
それに続いた徳川は伊達をくるりと振り返った。
「政宗!早まるなよ!」
「ったりめぇだ、へまはしねぇよ」
「…政宗」
片倉は後ろから伊達を抱き締めた。伊達は僅かに驚く。
「…待っていろ。必ずここで」
「…あぁ、待ってる。もう探しにはいかねぇよ」
伊達は片倉の腕をはずし、に、と笑った。片倉もふ、と笑い返すと徳川と一緒に出ていった。
直後、はるか上方の入り口がばんと開いた。
「そこのお前!そこで何をしている!」
「Ah?アンタ達こそ、何ウチのパイプライン入ってやがる!今そこまで行くからそこから動くんじゃねぇ!」
伊達はそう言うとたった今降りてきた突起に足を掛けた。



 「…大丈夫かい?」
「大丈夫だ」
「うむ」
無事会社から抜け出した五人は一先ず会社から離れた。時間が早かったおかげで、片倉達のスーツ姿は目立たなかったが、真田達は少しばかり目立った。
「だが…親睦パーティーは三日後だぞ?それまでどう時を使う?」
「そうだね…まずは本拠地を確保しないと話にならない。根城になりそうな場所に心当たりはあるかい?」
「それも、松永が目をつけなさそうな盲点、か…」
「……うーむ…。……あ」
「どうした?」
「政宗殿が住んでいる家はどうでござろう?政宗殿があそこにいることはすぐに松永に知れるでござろう。なればこそ、盲点では?」
「…なるほど」
竹中はそう言いはしたが、顔は納得していないようだった。
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