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Not revolved transmigration 49

「こいつで行くぞ!」
「トラックかよ」
「へっ、嘗めんなよ?こいつは社長に許可貰って俺が改造した特別車なんだよ!」
「改造車ァ?!」
「…貴殿が改造したとなるとミサイルとか出そうですな……」
「はっはっはっ!流石にミサイルは出ねぇが、爆竹の威力倍増させたのは出るぜ」
「…。取り敢えず参りましょう」
真田と伊達はどこか呆れたような表情を浮かべた後、長曾我部と共にそのトラックに乗り込んだ。
トラックには珍しい、後部座席があり、真田が助手席に、伊達が後部座席についた。
しっかり改造してあるらしい、ウのつく特撮物に出てくる組織の車のように、運転席のあちこちに本来はないスイッチやらレバーやら計器やらがついていた。地味に見た目は格好いい。
長曾我部は懐から出したスマートフォンをカーナビに接続した。そして、ハンドルのすぐ隣にあった無線のスイッチを入れる。
「元就、出発準備出来た。データ転送してくれ」
その言葉の少し後に、カーナビに並列して置かれたスマートフォンに先ほどのGPSが映った。
「奴ら埼玉まで行く気か…?こりゃ高速使った方がよさそうか?どう思う元就」
無線機から呆れたような毛利のため息が聞こえる。
『馬鹿か。貴様が使用しているトラックは大型、普通の引越業者が使うものよりも大きい。それが都内で高速に乗り降りたらおかしいであろう』
「確かにそうだけどよ…」
『黒田達は直線ルートでこれを追う。つまり奴らが先行部隊。元親、貴様に課せられた任務は奴らに追い付くことではなく、いかに奴らに気付かれずに近づくか、だ。分かるであろう?』
「分かっちゃいるが、焦りもある。…吉継の病気がそんな重いもんだったってのも知らなかったしよぉ」
『…元親』
毛利の声色に長曾我部は薄く笑った。
ぱしん!と拳を掌に叩きつける。
「分かってる!これは俺の『仕事』だ。元就、1つだけ教えてくれ」
『何ぞ』
「この作戦、どう見る」
長曾我部の言葉に伊達は不可解そうに長曾我部を見た。
長曾我部は2人を振り返る。
「お前らには悪いが、イマイチ俺はあの竹中って野郎を信用してねぇ」
「な…ッあんだけ堂々と受けといて…!」
「社長の友達かもしれねぇが、俺は気に食わねぇんだよ」
『気持ちは分からんでもない。我もあの男には、出来れば仕事以上の付き合いはしたくないと感じた。優秀で使える者だとは思うが、あの者そのものに何か危機感を覚える』
「…」
真田は毛利の言葉にすっと目を細めた。
過去の事が関係しているのだろうか。真田はそんな風に思った。
『だが、あの男嘘はついておらぬ。我と元親があれという人間と相性が合わぬだけであろう。…作戦は問題ない。そこは信用出来る』
「…分かった。お前がそこまで言うんなら、信用できんだろうよ。出発する、念のため無線は切るからな」
『承知した。…気を付けよ』
「おぅよ」
長曾我部は毛利の言葉にくすりと笑うと無線を切り、アクセルを踏み込んだ。


一方の竹中達は、軽トラックで移動していた。運転は黒田、他の3人は軽トラックの荷台にいた。
「あの人に運転させて平気か?」
「大丈夫だよ。彼、自分にしか不運は降り掛からないらしいから。さて、相手はどこに行くかな」
竹中はそう言うと、借りてきたノートパソコンを開きGPSの動きを見た。
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