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Not revolved transmigration 27

「先生、もしかしたら先生が来たばっかの時にあった奴らじゃねぇか?」
「!」
伊達の言葉に石田ははっ、としたように伊達を見た。
近くで見ると、石田の怪我は存外多かった。スーツのあちらこちらが切れ、手の平はつたった血のせいで真っ赤だった。
「?伊達、心当たりでもあるのか?」
きょとんとしてそう尋ねた前田を押し退け、伊達は石田の前に立った。
「俺も一緒に行く。いや、行かせてくれ!」
「…確証がないのに行けるものか。警察は確証を得なければ動かない。襲われたのは私だ、貴様を巻き込む訳にはいかない」
「俺が先生を巻き込んだのかもしれないだろ?!仮に奴らならば、それは確実だ!」
「だが…」
「話が見えないぞー?」
「前田先生、細かい説明は後で致しまする、それ故この場は某達にお任せいただきたい」
頭をひねる前田に真田は丁寧にそう言った。前田は驚いたように真田を見たが、真田の真摯な瞳に曖昧に頷いた。
「わ、分かった…ならばお前達に任せよう。だがちゃんと説明するんだぞ!」
「承知致した!」
「石田先生、ひとまず保健室に行こう。止血しないと、どう動くにしても目立ってしまう」
「!家康」
前田の承諾がおりたのを確認すると、徳川は静かな声でそう言いながら石田を押した。石田は珍しく静かで笑みを浮かべていない徳川を見て僅かに驚いたようだった。
「…わ、分かった」
「対策は保健室で考えるとして、まずは行こう」
3人は頷きあうと石田を押しながら保健室に向かった。

 「襲われたって言ってたが、相手はどんな格好だった?特徴は」
保健室につき、徳川は石田を座らせると自分はその前に座った。伊達はグラウンドに面した窓のカーテンを閉める。
「…全員同じ容姿をしてたな」
「何だそれ怖い」
「頭は角刈り、来ているのは黒いスーツ。中にはサングラスやマスクをしているのもいた。特徴といえば…9人いたが3人1組なのか、いちいち話す事を3人で分けて言っていた」
「…変な集団だなぁ…」
「この傷は…刃物でござるな?」
真田はそんな石田の隣に立ち、傷の手当てをしていた。1つ下の学年が修学旅行中で、保健教諭がいないのだ。
石田は真田の言葉に、手当てされていない方の腕を見た。
「あぁ。よく分かったな」
「…9人がかりでしかも刃物って…殺す気だったのか?」
「さぁな。そうかもしれない」
「さぁなって…先生冷静だなー」
「やっぱり奴らなんじゃ…」
「されど、何故石田先生を?」
「それが分かるんなら苦労しねぇよ…」
伊達は保健室のベッドに思い切りダイブした。うー、だの、あー、だの言いながらごろごろ転がっている。
石田は血のしみがついてしまったワイシャツを見てわずかに落胆しながらもそれを羽織った。
「…どうでもいいが、兄さんになんと言うべきか…」
「?お兄さんがいるのか?」
不意に、がばり、と伊達が勢い良く起き上がった。
そして、恐る恐る、と言った感じに3人を振り返った。
「…なぁ、先生の家族まで狙われた、なんて事…ないよな……」
「!!」
石田ははっとしたように立ち上がった。真田と徳川も顔を見合わせる。
その時だ。
「邪魔しやるぞ」
「?!おおお大谷さんん!?」
がらり、と校庭に続く扉を開けて大谷が姿を現した。しかも、顔に赤い、変わった形の面を着けて。
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