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Not revolved transmigration 31

竹中の、豊臣に会った時の反応は、2人の予想を越えていた。
「秀吉ぃぃぃぃぃっ!!」
竹中は通された会議室のような場所で豊臣の姿を認めるなり、記憶の有無も確かめずにそう叫んで駆け寄り抱きついたのだ。
「に、兄さん?!」
「兄さま!?」
弟と妹である石田と大祝はぎょっとしたようにそんな大胆な兄を見つめた。徳川と真田も思わずぽかんとしてしまう。
「は…半兵衛か!」
豊臣は心底驚いたように、抱きついてきた竹中をしばし呆然と見下ろした後、どこか嬉しそうにその頭を撫でた。
「まさか君が助けてくれたなんて!それにまた君に会えるとは思ってなかったよ!」
「うむ…我もまさかお前が石田先生と暮らしているとは思わなかったぞ」
「に、兄さん…?お知り合いなのですか…?」
「あ、あぁ、すまないね三成君、ついつい懐かしくて。彼は僕の昔からの親友なんだ」
石田の呆然とした声に、竹中ははっとしたように豊臣から離れ、照れくさそうに笑った。
豊臣は憮然としない表情で窓の外を見た。
「吉継め…分かって黙っていたな…」
「吉継…?もしかして、大谷吉継君かい?」
「大谷殿ともお知り合いだったのですか、兄さん」
「うん、まぁね。でも彼も変わっていないんだね」
「……あまりな」
豊臣の意味深な言葉に竹中は僅かに目を細めて、そうか、と返すと小さく笑った。
「…社長ー、アンタがそんな顔するの初めて見たぜ。よっぽど竹中サンと仲いいんだなぁ」
後ろからそんな2人を見ていた長曾我部はぱちぱちと瞬きを繰り返しながら、ニヤニヤと笑ってどこか揶揄るようにそう言った。
「む。まぁな」
「否定しねぇのかよ!まぁいいや、社長、あいつらは?」
「間もなく来るはずよ」
「あいつら?」
「ていうか、社長相手に馴れ馴れしいなーアンタ」
「うるせぃ!社長がいいって言ってんだから別にいいだろ。ほら、つったってねぇで座った座った」
長曾我部はじろじろと自分を見る伊達や徳川をしっしと追いやり、座らせた。
なんだかんだで全員座った頃、こんこんと扉がノックされた。
「入るぞ社長」
「!」
入ってきたのは肩上のショートカットの髪型の女性だ。その女性を認めると長曾我部は嬉々として立ち上がり、女性の方も長曾我部に気が付くと僅かに表情を綻ばせた。
「何だ、戻っていたのか元親」
「おぅ!ただいま元就!」
「(!元就?!)」
「(ま、まさか…)」
真田と徳川は咄嗟に顔を見合わせてしまう。
「彼女は?」
「!こいつは元就。仕事では毛利元就って名乗ってるぜ」
「勝手に紹介するでない」
「((やっぱり!!))」
毛利元就。中国安芸を統べた者であり、何より関ヶ原の戦いの時、長曾我部を嵌めた黒幕の1人だ。
そのはずなのだが、今生の関係は穏やかな様だ。
「仕事では…と、いうと、本名は違うのかい?」
「……本名も毛利よ。認めたくはないが」
「?そうなのかい?」
「家が認めないのだ。だから、書類上ではこやつが婿入りしたことになってる」

「「「えっ?」」」
竹中、真田、徳川の声が重なった。くすくすと毛利と長曾我部は楽しそうに笑う。
「まぁ、婚約するのも大変だったけどなぁ」
「なんだい君達結婚してるのかい!」
「そうよ」
あっさり認める毛利に3人だけでなく、石田や伊達もぽかんとしていた。唯一、大祝だけは、羨ましいですー!、ときゃっきゃとはしゃいでいた。
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