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Not revolved transmigration 36

「まぁ、なんてこと!三兄さまだって兄さまの会社に殴り込んだじゃないですかっ!」
「あれは殴り込みじゃなくて恐喝だ」
「いや、それもっとマズいだろ?!」
「安心しろ、手ぶらで行った」
「…手ぶらとはいえ相手は怯えたでござろうなぁ…」
「?そうか?」
「…はははっ。そうか。鶴殿、ありがとう。今度父さんに言ってみよう。女性の意見は今まで聞かなかったから」
4人の会話に徳川は笑うと、大祝に向き直り、そう言った。大祝はぱぁ、と顔を輝かせ、にこりと笑った。
そんな徳川に真田は目を細めた後、はぁ、とため息をついた。
「…しかし……腹が減ったでござるぅぅぁぅぁぁぅ」
言葉と同時に、ぐるる、と真田の腹が鳴った。
「そういや、ちょうど昼時だな。食堂行くか?」
「…そうだな、腹が減っては戦は出来ない!」
「三兄さま!行きましょう!」
「あ、あぁ…」


そんなこんなで、5人は伊達の案内で食堂に来た。
「某カレーにするでござるぅぅ」
「お!ならワシは天麩羅そば!」
「俺ランチセットBで」
「………ざるそば」
「私もざるそば!」
各々で注文したものを手に、食堂が見渡せる二階席に座る。食堂は昼時だというのに、やや閑散としていた。
「12時なのに空いてるな。ここはお弁当の人が多いのか?」
「いや、ここの社員食堂は安いからほとんどがここに来るぜ。ただ、待ち時間を作らないために休憩時間が違うらしい」
「確かに安かったでござる。これだけのカレーが350円とは…!」
「…なるほど。社員の事をよく考えているんだな」
「あぁ。警備会社は信頼第一だからよ」
「そうだな」
「…うまい」
「待て吉継!」
口々にそう言いながら食べていた時、不意に食堂に黒田の大声が響き渡った。
何事かと徳川達はそちらを見た。ちょうど食堂に入ってくる所で、黒田が大谷の腕を掴んでいた。
「…離しやれ、イタイわ」
「離したらお前さん逃げるだろうが!話はまだ終わってない!」
「何度も言うておるだろう。我は石田の事は知らぬ」
「!私?」
大谷が発した言葉に石田は僅かに身を乗り出した。
「納得いかん!お前さん、あのヤクザとは関わり合いたくないんじゃなかったのか!」
「!」
黒田の言葉に、徳川達は驚いて互いを見やった。
視線を戻した先の大谷は黒田の言葉にため息を吐いていた。
「…関わり合いたくないに決まっておろう、向こうに我の顔は割れておるしな。…だが、このまま黙って泣き寝入りは出来ぬ」
「…お前さんが小生にしか話してない事を暴露するつもりはないがな……危険すぎる!」
黒田はがしり、と大谷の肩を掴んだ。大谷はわずかに目を伏せ、拳を作った。
「お前さんだってあんな目にはもうあいたくないだろうに!」
「無論。…だが、だからこそ、放っておく訳にもいけぬ問題だったのよ。よい機会だわ」
「吉継!」
「黙りやれ」
「…ッ!」
静かな、しかしそれでいて鋭い大谷の声に気圧されたように、黒田は大谷から手を離した。
「…いずれはこのような事になるのは、分かっておったわ。我は平気よ、例えまた同じ目にあおうともな」
「…お前さんがそこまで言うならどうしようもないが……無理はするなよ。お前さん、自分が病人だって事忘れてるからな!」
「!」
真田と徳川は思わず顔を見合わせた。
「ヒヒ、主に心配されるとは世も末よ」
「なっ!失礼な!」
大谷はヒッヒと笑いながら黒田を振り返った。
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