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Not revolved transmigration 46

「もうよい。話は何となく見えてきた。元親はその男に負けたのか?」
伊達の話を聞きながら、毛利はてきぱきと長曾我部の処置をしていた。
「負けたっていうか…戦闘になりそうになった時、緑色した変な香炉を相手が持ってて、それにやられたみたいだった」
「緑色の香炉?麻薬か何かか」
「分かんねぇ。即効性なのは分かったけど……ごめん」
毛利は伊達の言葉に、ふん、と鼻を鳴らした。
「貴様は見られていないのだろう。ならばまだいい。こやつは麻薬程度じゃ死なぬわ」
「…そりゃ死にはしねぇけどよ…」
毛利の言葉に長曾我部が目を開いた。
「!元親、」
「あー気持ち悪…!何だったんだあれ?」
「……、半兵衛殿、少しお時間よろしいだろうか?」
「……いいよ」
長曾我部の無事を確認した徳川と真田は頷き合うと、徳川は竹中にそう言い部屋の外に出た。竹中は徳川の視線に何かを察したのか、黙ってついてきた。
部屋から少し離れた、2人の会話が部屋の中には届かない場所に来て、徳川は竹中を振り返った。竹中は流れる動きで腕を組む。
「心当たりがあるのかい?家康君」
「あぁ。刑部…いや、大谷さんが、闡喪組の幹部に天海という白髪の男がいる、って言っていただろう」
「そうだね。……、その鉄仮面が天海なのかい?」
察しのいい竹中に徳川は頷く。
「昔会った事がある。金吾の所にいつの間にかいた僧で、腐食香炉という鎧を腐らせる香炉を持っていると聞いた。それに、彼は刑部の事を刑部さんと呼んでいたし、元々金吾は西軍にいたから元親とも面識がある」
「…彼は声で元親君だと判断できた…つまり、彼は闡喪組の幹部で、おまけに記憶がある?」
「政宗の話を聞くかぎり、持っているはずだ」
「…成る程。秀吉は社員の情報を極秘にしているから、元親君の名前からここが割れるのには、例え情報戦のエキスパートでも少し時間がかかるはずだ」
竹中はそう言うと目を伏せた。しばらくそのままの姿勢で静止した後、ゆっくりと目を開いた。
「…先制攻撃を仕掛けるしかない」
「!」
「…だけど参ったな。相手が大谷君をどこに連れていったのか検討がつかない…」
「……何じゃ、吉継がどうかしたのか」
竹中がそう呟いた時、2人の後ろからそう問い掛ける声があった。竹中は僅かに驚いて振り返る。
そこにいたのは、何か取りに行っていたのか、両手でしっかりとノートパソコンを持った黒田だった。
「おや、孝高君」
「すまんが持ってくれんかね?小生が持っているといつ落とすか分からん」
「お、いいぞ」
「で、吉継がどうかしたのか?」
黒田の再びの問いに、竹中は僅かに表情を曇らせた。
「…、どうやら闡喪組に攫われたらしいんだ」
「………。何ッ?!何故じゃ!あいでっ!」
黒田が驚きに声を上げた時、何があったのか黒田の頭に非常口の案内板が落ちた。
何故じゃぁぁぁぁ、と座り込み呻く黒田に思わず2人は苦笑する。
竹中はそんな黒田に視線を合わせるように膝をついた。
「遭遇した元親君達の話では、元々こちらのものだから返してもらう、と言っていたそうだよ」
「…!…けっ、何が元々こちらのものだ…!」
「?」
竹中の言葉にはっとしたように竹中を見、それからどこか怒りを滲ませた声でそう毒づいた。竹中は眉間を寄せる。
「…君は、彼の過去を知っているらしいね」
「それが何じゃ」
「大谷君は君と秀吉にしか話していないんだ。…一体何があったんだい?」
「……。悪いが小生の口から言えるような事じゃないんでね」
黒田は竹中の言葉にそう言うと肩を竦めた。
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