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Not revolved transmigration 29

「大谷殿の血筋、というだけで、あの方は生まれ変わりではないのでござろうか?言葉遣いは大谷殿そのものでござるが、肉体は健康そのもの…口調以外、同じ所が見当たりませぬ」
「確かにな…。だが秀吉公の部下だろう?と、いうより、それがどうしたんだ?」
「あ、いえ…ふと、気になっただけにござる。…生まれ変わりならば、そこに魂があるという事にはなりませぬか?」
「…確かに。……魂があるという事は、いつか思い出す可能性がある…?」
徳川ははっとしたようにそう呟き、真田を振り返った。真田は小さく頷く。
「某はそうではないかと、思っているのでござる」
「……大谷さんに関しては分からない。様子を見よう」
「…そうですな」
2人はそうぼそぼそと呟きあうと体を離し、前を進む3人の後に付いていった。

 「真田か徳川、助手席に座りやれ」
「「えっ?」」
車を停めてある所まで来た時、大谷がそう言った。
きょとんとする2人に大谷は僅かに嘆息する。
「後部に4人は狭い。それに、政宗と石田は主らより顔が割れておろうが」
「あ、あぁ、そういう事か。どうする?」
「…では某が」
「分かった」
2人はそう言い合うと、真田が助手席へ座った。
大谷は運転席に座るとアンドロイドをカーナビに接続し、車の位置を確認すると車を発進させた。
「…なぁ大谷さん、秀吉さんは…」
「社長がどうしやった」
「…秀吉さんはこの事態、俺のせいだと思ってる?」
ぽつりと政宗が漏らした言葉に大谷はやれやれと盛大にため息をついた。
「思っておるわけなかろ。社長は斯様な事は考えぬ御仁よ」
「そうなのか…?なら、どうして石田先生の事…助けようとしてくれんだ?」
「知らぬわ。あの御仁にも思う所があるのではないか。それに元々は喧嘩っ早いところもある故」
「…ご迷惑をお掛けします」
「気にしやるな。こちらが勝手に焼いてる世話よ。…さて、面倒よな」
「?如何なされた大谷殿」
アンドロイドを見つめていた大谷がぼそりと呟いた言葉に、真田は身を乗り出してアンドロイドを見た。
「感付かれた様よな」
「!?そう言った風には見えませぬが…」
「主ら、ちと運転が雑になるゆえ何かに掴まっておりやれ」
大谷はそう言うなり勢い良くアクセルを踏み込んだ。
「うわわわわ」
「ななななな」
「おわわわわ」
後部座席から三者三様の悲鳴が聞こえてきて真田は振り返ろうとしたが、かかる圧力が酷く振り返る事が出来ない。
「おおお大谷殿飛ばしすぎぎぎ」
「警察に捕まったら元も子も…!」
「安心しやれ。たかが警官に我についてくる事など出来ぬわ」
「ナンバーを控えられたら見つかりるでしょう…ッ」
「奴らにナンバーが読めればなァ。ヒヒヒッ」
「((((元警察官なのになんて人だ))))」
法外速度で飛ばしながら物騒な事を呟く大谷に4人は心のなかで呟いたのであった。


それから約30分後、大谷達の車は巨大なビルの地下駐車場に到着していた。
「すまぬが我はまだ行かねばならぬ。ここでちと待ちやれ、主の家族を迎えに行った奴がどじを踏まねば間もなく来やる」
大谷は運転席から外にいる石田に向けそう言った。
「分かりました。…お気をつけて」
「…ヒヒッ、そうさな。ではなァ」
大谷はどこか楽しそうに笑うと、駐車場を出ていった。
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