スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

Not revolved transmigration 43

「…なんでまた?夜這かい?」
「ぶっ!な、アンタ昼間っから恥ずかしげもなく…!」
「違う」
竹中の言葉に長曾我部は赤面し、毛利は呆れたように竹中を見た。
「さっき言ったであろう。婚約するのも大変だった、と」
「あんまりに許可が下りねぇからよ。元就が自分を攫え、って」
「えぇ?」
「家の名を守るのが第一なのだ、親にとってはな。だから思い知らせてやったのよ、我がいなくなれば家が断絶する事をな」
「わぁチャレンジャー」
竹中の言葉に毛利はふん、と鼻を鳴らした。竹中は苦笑しながらちら、と長曾我部を見た。
「…許可が下りなかったのは、縁起が悪いと思われたからじゃない?」
「!」
「日本史の戦国時代じゃ、毛利元就と長曾我部元親は因縁の間柄だろう?」
「アホくせっ。たまたま名前が一致しただけじゃねぇか。それに史実なら嵌められたのは俺の方だろ?」
竹中の言葉に、長曾我部はふてぶてしい表情を浮かべてそう言った。毛利も小さく肩を竦める。
「…元親は元々捨て子だからな。日本史云々より、そちらの方が大きいだろう」
「へ?捨て子なの?」
「あぁ。らしいぜ。この白髪のせいかねぇ?」
「ちょっと、それを言うなら僕も三成君も白髪なんだけど?」
「ははっ、違ぇねぇ」
「銀髪と言ってくれたまえ。…ふぅ、話が逸れたね。じゃあ、2人に行ってもらう事にしようか…いつにする?」
「…三日後が新月だ」
竹中の言葉にずっと黙っていた黒田が口を開いた。
「おや、そうなのかい?」
「黒田はいつの間にか天体観測が趣味になったからな」
「吉継来てからじゃね?」
「!べっ、別に初めて凶と大凶以外の結果があいつの星占いで出たからだとか、そういうんじゃないからな!」
べたな台詞を吐いた黒田に長曾我部と毛利は思わず顔を見合わせる。
「そんな理由だったのか」
「凶と大凶以外が初めてとか……とことん運無いよな孝高…」
「喧しいわ!哀れむくらいならお前さんの強運をくれ!」
「いや、流石にそれはやだ」
「ぬぁぁ何故じゃあああ!」
黒田はそう叫ぶとわしゃわしゃと髪の毛をかき回した。
「やっかましい奴よ。…だが新月なら都合がいいな」
「そうだね。なら決行日は三日後にしよう。細かい計画を練ろうか」
「よし。その前に、元親、我大福が食べたい」
竹中の提案に乗った毛利だったが、不意に長曾我部を振り返るとそんな事を言った。
「ん?…俺も昼飯食わなかったからな…社長!俺買い出し行ってくる」
長曾我部も驚く事なくそう言うと立ち上がった。
「…、政宗君も一緒に行ってくれるかい?」
「?構い…ませんけど、なんでオレ?」
竹中の言葉に半ばぼんやりとしていた伊達は、了承しつつも驚いて竹中を見た。
「1人より2人、って言うのと、政宗君が普通に行動していたら確率値が下がるかもしれない、と思ってね」
「…なるほど。分かった、じゃあ行ってくるわ」
伊達は納得すると立ち上がり、先に部屋を出ていた長曾我部の後を追って部屋を出た。


 「…懐かしいなァ…元就を攫ったのは確か高3の時だ」
「あん?」
会社を出て少しして、長曾我部がそう呟いた。伊達は不思議そうに長曾我部を見上げた。
「…、よく警察呼ばれなかったな」
「元就の家はでかいからな。警察呼ぶより、人雇って俺を消した方が手っ取り早かったんだろ、呼ばれなかった」
「尚怖!」
伊達の言葉に長曾我部は苦笑した。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2012年02月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29