スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

Not revolved transmigration 33

はぁ、と大谷はため息をついた。
「全ッ然違う。我は4号、長曾我部は3号よ。本にまぁ主は使えぬ熊さんよな。それ、ぬいぐるみにしてやろ」
「なっ!ちょ、本当に手伸ばすなッ!」
「…。さて、その3号っていうのは何なんだい?」
竹中は2人のやりとりからふいと目を逸らすと毛利に向き直った。毛利はそんな竹中にくすりと笑った後、ぴっ、と人差し指を立てた。
「警備会社の業務にも種類がある。3号は輸送警備の事よ。現金や美術品、時には火薬などの危険物を運搬する。吉継の4号はいわゆるボディーガードの事だ」
「へぇ、ボディーガードなんて出来るんだ、彼」
「だからあんなに喧嘩強いのか…」
伊達の呟きに、竹中は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「三成君より強いかい?」
「は、に、兄さんっ?」
竹中の言葉に、大谷はゆっくりと竹中を振り返った。楽しそうな竹中の表情に目を細めた後、石田に視線を向けた。
「我は構わぬが?」
「えっ?!い、いや、仕事にしてる人に勝てるわけないでしょう!無茶言わないでください、兄さん!」
「そうかい?見た目では長曾我部君の方が喧嘩は強そうなのにボディーガードは大谷君らしいから、どれくらい強いのか気になって」
石田と竹中の会話に大谷は肩を揺らして笑った。
「ヒヒヒ…知ってどうしやる。それに我はあまり仕事をしておらぬしなぁ」
「?なぜ?」
「はんっ!そんな性格してるからじゃ!仕事行ってもすぐ人変えてくれってなるんだよ!」
「黙りやれ熊さん」
「だぁかぁらぁ誰が熊じゃあ!」
かっとなった黒田が大谷に掴み掛かったが、大谷はその腕を掴むと、どうやったのか軽々と自分よりもがたいのいい黒田を放り投げた。
「あだっ!」
「…ふむ、なるほど。もしかして合気道かな?」
その動きを見てぱちぱちと手を叩きながら竹中はそう尋ねた。
「そうさな。一応合気道の免許は持っておる」
「いてぇな!本気で投げるこたないだろう!」
「喧しいわ。少し静かにしやれ。それより社長。これからどうするのだ?」
大谷は黒田を軽くあしらいながら豊臣に向き直った。
豊臣は大谷の言葉に頷くとその部屋にいる人間を座らせた。
「元就。報告してくれ」
「承知した、我が集められた情報の全てを話そう」
毛利はそう言うと腕を組んだ。
「名前は闡喪組」
「せんも?…可愛い名前だな…」
「構成員は200人ほどの麻薬取り引きと人身販売を主とするヤクザだ」
「人身販売…」
「人身販売といっても売っているのは所謂愛玩用のものらしい。なかなか頭がいいヤクザなのだろう。警察に尻尾を掴まれた事はないようだ」
「…警察」
一部の視線が大谷に集まった。毛利も大谷を見る。
「…、法に引っ掛からないあらゆる手を使って調べたが我に分かったのはこれだけだ。吉継、お前は何か知っているか?」
「上出来よ、さすがは主だな。我が警察にいた頃でももう少し時間がかかったな」
「…吉継、大丈夫なのか?」
肩を揺らして笑う大谷に、黒田がぼそりとそう尋ねた。大谷は笑いを止め、口元にのみ浮かべる。
「…、幹部の数は10から20、正確な数は分かっておらぬ。構成員は基本的にスリーマンセルで動き、その3人は区別が出来ないくらい似せている。愛玩用の人身販売をしているとあったが、それも多岐に渡る。老若男女を問わん」
「…だからわざわざ話す言葉を分けていたのか」
石田の言葉に大谷は目を細めた。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2012年02月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29