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Not revolved transmigration 28

「やれ、もう襲われた後であったか。よく無事でおったな」
石田に気が付いた大谷は、僅かに驚いたようにそう言った。
「ななななななんでここに?!ってかなんすかそのお面!」
「ヒヒッ、面白かろ?我が家に伝わる面なのよ」
「大谷殿、襲われたと分かったという事は、何事か、豊臣殿にも起こったのでござるか?」
真田の問いに大谷は面を外して保健室に入ってきた。それと同時に、スーツの内ポケットからアンドロイドケータイを取り出す。
大谷は石田にアンドロイドを手渡した。画面には地図が表示されていて、道路を赤い6つの点が移動している。
「これは…GPS、ですか?」
「ヒヒッ左様。これは数ヶ月前、政宗に接触したヤクザの所持する車なのよ」
「!!やっぱり奴らなのか?!」
顔を青ざめさせた伊達に大谷は喉の奥で笑う。
「安心しやれ。まだ目的はとんと分からぬが、どうやら主はこやつに接触する為に利用されたと考えられそうであるからなぁ」
「?私に…?」
「あの後少し動いてな。手紙の宛先が主だったのも気になったのよ。そうしたら今日、面白いくらいはっきり動きやったわ」
「面白いくらい?」
首を傾げた徳川に大谷は石田に向き直った。
「すまぬが奴らを張るにあたって主の事も調べさせてもらった」
「な?!」
「事後報告になった事は詫びよう。されど奴らは情報収集能力がずば抜けておる故、主に承諾を得ることは出来なかった。すまない」
大谷はそう言うと石田に頭を下げた。石田はそんな大谷にはっとしたように手を振った。
「い、いや…私の方こそ、巻き込んですまなかった」
「…左様か。ならよいのだが」
「それで、奴らが起こした動きというのは?」
「それらの車、主の家、それから主の妹が通う中学に向かっておった」
「…!兄さん達の所へ…ッ?!」
さぁぁ、と石田の顔が青ざめ、石田は勢い良く立ち上がった。
だがその前に大谷が立ち上がり、石田の肩に手をかけていた。
「まずは落ち着け、な?」
そしてそう言った。その時、真田と徳川の目に、大谷のブレスレットがきらりと光ったように見えた。
石田は大谷の言葉に視線を彷徨わせた。
「我らが何もせずにおるわけなかろ?」
「!え…?」
「主の家族は奴らが到達する前に我の同僚が迎えに行った。それに気付いたのであろう、車はここに向かい始めておる。すまぬが、主には我と共に来てもらいたい」
「…だ、だが…貴方達に迷惑だろう」
僅かに俯いてそう言った石田に大谷はどこか楽しそうに笑った。
「ヒヒッ、元は政宗が蒔かされた種よ、気にしやるな。それに、我も個人的にこやつらには恨みのようなモノがある故」
「…恨み…?」
「こやつらにこちらから接触するのは非常に困難だということよ。我にとってはよい機会なのよ、キカイ。全てを話した上で同僚と社長の許可は取ってある。…ここで主に拒否される方が迷惑なのだがなァ」
「………分かりました、世話になります」
「相分かった。裏に車を停めてある、早に来やれ。そして先ほどからじろじろ見ている主ら、主らもよ」
「えっ」
「うっ」
「お、俺らも?」
不意に話を振った大谷に真田と徳川は思わず吃ったが、早くしろと睨んでくる大谷に腰をあげた。
校舎内を迷わず進む大谷についていきながら、真田は徳川に寄った。
「…徳川殿。あの、大谷殿が着けておられた面…」
「あぁ…懐かしい、と言ったら不謹慎かもしれんが…刑部の面だな」
真田は徳川の言葉に視線を大谷に向けた。
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