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Not revolved transmigration 32

「で、貴方は元親が迎えに行った人か?背格好から見ると、例の石田先生という男の御兄弟か」
毛利は女性になった上に記憶がないからか、かつてに比べてかなり丸くなっていた。おまけに同じく記憶のない長曾我部とは結婚しているという。人の世とは何が起こるか分からないものだ。
「あぁ、自己紹介が遅れたね。僕は竹中半兵衛」
「!貴方が社長が探していた方か」
「おや。そうなのかい、秀吉」
「…ま…まぁな」
照れくさそうに顔を逸らした豊臣に竹中は嬉しそうに笑った。
「しかし、竹中か。ご家族ではないのか」
「あぁ、三成君とは血縁関係はないけれど兄弟なんだ。あっちの子は大祝鶴、僕達の妹」
「…、ぶしつけながら仕事は何を?」
「公認会計士をしているよ」
「…公認会計士…!」
きらり、と毛利の目が光った。
「どこぞの専属か?」
「いや、残念ながら。前にいた所でセクハラにあってから三成君達がなかなか認めてくれなくてね」
「当然でしょう!そんな不埒な輩は斬滅してもしたりない…!」
「こら、物騒な事言わないの。君が脅したりするからなかなか次が見つからないんだよ」
「よし、ならばここに来い」
「はい?」
唐突な毛利の言葉に竹中は拍子抜けしたように毛利を振り返った。社長が目の前にいるというのに大胆な台詞だ。
「社長には今日報告するつもりだったのだが、秘書課の会計を1人クビにした」
「…この会社は勝手にクビにしていいのかい?」
竹中は半ば驚いたように、半ば呆れたように豊臣を振り返った。豊臣は僅かに肩を竦める。
「秘書課の事は毛利に一任しているからな。構わないが理由はなんだ」
「先月分の決算から240円ちょろまかしていた。反省の色がなかったから切った」
「そうか。それで会計が足りないのか」
「公認会計士の資格を持っているのに一会計は申し訳ないが、こちらも急を要する。構わないだろうか?」
「構わないよ。秀吉とまた働けるのは光栄の至りだ」
「よし、契約成立だ」
「すげぇスピード就職」
2人の取り引きにぽかんとしていた長曾我部は、小さく吹き出すとそう言った。
毛利はふんっ、とどこか楽しそうに鼻をならす。
「どこぞのバカのようにのんびりやってミスはしたくないからな」
「そりゃ小生の事か!」
ばんっ、と勢い良くドアが開くと同時に誰かがそう叫んだ。
「なんだ、来たのか黒田」
毛利はつまらなそうにその男を見てそう言った。
「来たのかじゃないだろう!小生だって一応参加しとるだろうが!」
「ヒッ、ヒヒヒッ、主は相変わらずよなぁ」
ひょい、とその後ろから大谷が姿を見せる。
「お疲れさまだったな吉継」
「なんだその態度の差は!」
「君は…」
「ヒヒッ…こやつは黒田孝高。一応営業課のトップよ」
黒田孝高。かつては黒田官兵衛と名乗っていた。とことん運がなく不運の神に愛されていたと言っても差し支えない。
かつては大谷も毛利も嫌悪していたが、今はそこまで悪い仲ではないようだ。
「一応って言うな!くそ、どいつもこいつも…!」
「ヒヒヒまぁそう言うな熊サン。今更であろ?」
「誰が熊さんじゃあ!」
「お前ら、客の前でまで孝高いじんのは止めろよ?」
長曾我部は呆れたようにそう言うとぽんぽんと黒田の肩を叩いた。
「ふふふ、楽しそうだね。ところで、元就君と黒田君の役職は分かったけど、君達は?」
「確か、元親は2号警備で吉継は1号警備だったな」
「?」
突然出た専門用語に尋ねた竹中は首を傾げた。
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