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Not revolved transmigration 41

「…。!」
20分ほど社内を歩き回った後、真田は大谷を見つけた。黒田と別れたのか、大谷は1人だった。
「大谷殿!」
「……。主は…」
大谷は真田を振り返ると僅かに眉間を寄せた。
「…あ、某は真田幸村にござる!」
「あぁ、そういえばそんな名前であったな。何か用か?」
「1つ、尋ねたい事があり申す」
「ほぅ?」
「某が貴殿と初めてお会いした時、貴殿は後輩が政宗殿と同じ理由で攫われた事があったと申されましたな」
「…あぁ」
大谷は思い出したように頷いた。
「その後輩なる御仁、名は前田、ではござらんか?」
「…やれ、石田が何やら思い出しやったか?」
大谷の目が細められた。真田ははっ、と大谷を見つめる。
「!と、申されると」
「確かに前田よ。前田…はて、何と申したか」
「その御仁が攫われたのも、闡喪組なのでございますな?!」
「そうよ。やれ、石田との繋がりはそこであったか。と、なると……」
「?」
同一人物であったという確証を得、ガッツポーズを取った真田は、大谷がぼそりと呟いた言葉に大谷を振り返った。
「…?」
「…社長はどこにおる?」
「ぅえ、と、豊臣殿ならば…部屋の外に居りました」
「そうか」
「い、如何なされた?」
「分からぬか?石田の知り合いという事は、同じ施設の人間が2人、同じヤクザに狙われたという事。つまりは?」
「???…!目的はその施設!」
はっ、と叫んだ真田に大谷は無感動な顔で振り返り、にやと笑った。
「やれ、思うたより早く分かったな」



 「目的が石田がいた施設と分かったらしいな」
30分後、再び会議室に集められたメンバーの内、最後に入ってきた毛利は開口一番そう言った。
「施設のトップが中々面白い奴であったぞ」
「面白い?」
「織田信長だ」
「「(えぇっ?!)」」
伊達とともに部屋の隅に座っていた真田と徳川は思わず顔を見合せた。
一方の石田は、かつていた施設の院長を面白いと言われ、首を傾げた。
「院長の何が面白いんです…?」
「織田信長といえば、元は衆議院議員で防衛大臣を勤めた事もあり、警備の世界では警察以上に裏世界を知る男だと言われているな」
「えぇ?!」
「はは…あの人そんな人だったのか」
「………ヤクザの目的と考らえぬ事はない大物よな」
大谷の呟きに豊臣は小さく頷いた。だが、竹中は渋い顔をしたまま大谷を見た。
「…だけど、院長ならもう亡くなっているよ」
「!マジかよ?」
「僕たちだけでなく、まだ中学生の鶴ちゃんが施設を出たのはその為なんだ。院長が亡くなり、施設が閉鎖されたから…」
「…死んだ後だと言うのに狙ってくるってぇ事は……目的は隠し財産かなんかじゃねぇか?」
「でもそれだとしたら、どうして三成君を?」
「………あ」
長曾我部が嬉々として挙げた案を竹中が一蹴した時、石田が何か思い出したように声を上げた。ついで、スーツのポケットから髑髏が付いた何かを取り出した。
「…院長が死ぬ前に、預けられた」
「……何それ?」
「さぁ」
「見せやれ」
大谷は後ろからひょいとそれを取った。しばらく眺めたのち、かち、と髑髏の頭を押すと、勢い良く口からUSB端子が飛び出した。
「USBメモリーかい?」
「と、なると奴らの目的に必要不可欠のものがこの中に入っておるということか。毛利、パソコン」
「あぁ」
大谷は毛利にそのUSBを渡した。
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