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聖なる夜のハプニング57

「…薬液を、か…。火薬はどうなってんだ、どう発射する」
「雷管だよ」
後ろからひょっこり出てきた政宗が伊達の手から銃を取り、器用に操って弾を取り出した。ころん、と転がり出た弾の尻を指さす。
「こいつを叩いて弾く。こいつが火薬になる」
「これが…?」
「まぁ、この辺の仕組みは知りたかったら調べてくれや。で!どうするんだ、これから」
政宗はそう言うと弾を伊達に投げ渡し、居間の中に入った。三成も政宗に続いて、吉継達の方へ戻る。
「まずは主らの先生の安全の確保かの」
「ワシが…!」
「いや、お前行くの危ないだろ。狙われてんだろ?」
「……恐らく、私と家康はついでだろう。パラレルワールドの存在の証明…それで僅かな差での存在が手に入れば、と」
「普通漫画だと同じ人間は存在できねぇっていうけどな」
「可能性として考えれば………こちらに身代わりの何かがいるはずだ」
「その辺の話は後よ。……先から電話が通じぬ」
「!!」
静かに吉継が言った言葉に、さぁっ、と家康と三成の顔が青ざめた。ばっ、と勢い良く立ち上がった家康を三成が慌てて止める。
「待て家康!気持ちは分かるが落ち着け!」
「落ち着いていられるか!!先生が、秀吉先生が…ッ」
「……秀吉、様………?」
家康の言葉に、石田がぽつり、と呆然としたような声で呟いた。徳川ははっとしたように石田を見る。家康も二人の様子にはっ、となった後、石田に駆け寄ってその正面に正座し、頭を下げた。
石田は驚愕に目を見開いたいたが、家康の行動に戸惑ったように家康を見た。
「…貴方に会わせたかった人だ、名前を伏せていたことは謝罪する!」
「……ややこしい事はもはやどうでもいい…一つだけ答えろ」
「?分かった」
ぼそ、と石田が呟くように言った言葉に家康は不思議に思いながらも顔をあげた。
石田の目は、真っ直ぐに家康を見据えた。
「話を聞く限り、こちらの世界の秀吉様が、危険な状態にあられるのか」
「…その可能性が高い…!」
「…………刑部!」
「言い出したら止まりはせぬな」
石田は家康の言葉に一度目を閉じた後、開くと同時に立ち上がった。石田の言葉にやれやれと言いつつも嫌そうではない大谷が輿を浮かせる。
吉継は驚いたように二人を見た。
「…ちょ、ちょ、ちょ、待ちやれ!」
「そのような暇があるのか」
「今まで死んだ魚のようだった主がイキイキしておるのはまこと良いことだがちと待ちやれ。…主のややこしい事はどうでもいいという言葉で我もちと思いついたのよ」
「?何を」
ぽかんとしていた政宗は、にやりと笑ってそういう吉継に首をかしげた。
吉継の思惑が分かったらしい伊達はにやりと笑い、毛利は飽きれたようにため息をついた。
「いっそのこと、ド派手なPartyにしちまえばいい、そういうこったな」
「ヒヒ、いかにも。どうせならば手に負えぬくらいの大騒ぎにしてやろ」
「おいおい、学生のこいつらはまだしも、そんな事をしたらお前さん、」
体を起こした官兵衛の言葉を吉継は手で制す。す、と目を細め、官兵衛の頭を撫でる。
「…主やあ奴らの命がそれで助かるならば安いものよ」
「………………吉継」
「そうと腹を決めてしまえばさっさと行動を移すのみよ。一応知らぬ毛利と真田は巻き込めぬ、申し子と虎若子はここにいよ、よいな?」
「なんと……されど、承知いたした」
「ふん。好きにせよ」
吉継はパン!と手を叩いた。
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