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聖なる夜のハプニング52

「やべっ間違えた。…ま、そんな感じ。アンタほどの関係性はないわな」
「…そうかい」
「まっ、でも俺もあの人に救われたのは同じかもしれねぇな。あの人に会ってなかったら、今の俺はねぇ訳だし…」
「?」
「……なんで出会ったんだ?そいつとアンタは」
「ん?んー……まぁ、それはぼちぼちな。それよりあんたら!今日はどうすんだ?」
政宗は伊達の問いをそうはぐらかし、くるっと背を向けた。伊達ははぐらかされたことを大して気にせず、座っていたソファから立ち上がり、ダイニングテーブルに手をつくように政宗の方に身を乗り出した。
「真田に会いに行く。昨日なんで来なかったのか気になるしな」
「ん?あ、そう。権現さんは?」
「………彼女に、会えるかな」
「じゃあどうすっか…」
「あの長屋までの道は覚えた。構わねぇなら、俺一人で行けるぜ?」
「…んー、まぁ大丈夫だろ。くれぐれも揉め事は起こすなよ!じゃあ権現さんは俺と一緒に家康の家行くか?今日は家康も臨時で入ってる石田も塾講無かったはずだから多分平気だろ」
政宗はそう言いながら、ばたん、と冷蔵庫の扉を閉めた。


 その頃、三成と家康の方では事件が起こっていた。
「ふあぁ………。…あれ、三成、」
「しっ」
目を覚ました家康は、別室で寝ていたはずの三成が部屋にいることに驚いたようだったが、家康が起きたのに気がついた三成に声を出す前に三成の口を塞いだ。
家康はなお驚いたように三成を見た。三成は窓の外に視線を向けながら、家康の耳元に口を寄せた。
「…家の外に誰かいる。玄関と窓がみはられている」
「………まさか、」
吉継さんが言ってた、と言いかけた家康を、三成ははっと気がついたように顔を起こすと、すばやく口元に人差し指を立てた。
三成はすぐスマートフォンを取り出し、なにか打ち込んだ。
『もしかしたら盗聴器が仕掛けられているかもしれない。普通の会話をしよう』
家康は三成のスマートフォンの文字を読むと、小さく頷き、枕元のスマートフォンを手にとった。
「気のせいじゃないか?ほら、最近ワシ告白されたし」
『吉継さんが言ってたやつか?』
「…だといいんだが……貴様に手を出すのは許さん」
『そうかもしれない。定番の黒スーツ、それにどうにも怪しい』
「ははっ、照れるなぁ。朝ごはんにしよう、今日は寒いから家から出ないぞー」
『一先ず皆にメールしよう』
二人は口上ではただのカップルを演じながら、スマートフォンでそう会話をし、小さく頷きあった。
『……少しばかり怖いな』
『案ずるな。私とお前ならば大丈夫だ』
『そうかも…な』


 「にゃにぃ!!!」
「どわっ!いきなり大声出すな!しかもなんでにゃ、なんだよ!あと飯中はスマホ使うな!」
「い、いかがなされた?」
「主らしからぬ反応よな」
それから少しして、三成のメールが吉継に届き、それを読んだ吉継はすっとんきょうな声をあげた。朝食をとっていた官兵衛と真田たち四人は驚いたように吉継を見た。
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