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聖なる夜のハプニング53

「…動きが出たようよ」
「!」
「…初日に言っておった、勢力とやらのことか」
「どこだ?」
「三成のところよ。唯一おらぬ所に出たというのは不幸中の幸いか」
吉継は三成からのメールに返信しながらそう言った。官兵衛は表情を引き締めると後ろを振り返り、窓の外に目をやった。
「………こちらにも来てるか?」
「……ここは人通りが多いゆえ流石に室内では分からぬ…一応、守りの呪符は用意しておくかの」
「呪符って………」
「チカたちは」
「あやつが連絡するようよ。三成の元に現れおった奴らの正体が分かるまで、今日は主らは部屋で静かにしておれ、よいな。凶王よ、今日は我も部屋に入るぞ」
吉継はそう言うと朝食の途中にも関わらず席を立ち、居間から出ていった。
残された四人はそれぞれに反応を見せる。大谷と毛利は顔を見あわせた。
「…主は、何故その二人の元に出たと思う」
「………確かに、唯一いない所にでるというのはおかしな話ぞ」
「………逆に考えるのはどうだ?」
大谷と毛利はいつの間にか話を聞いていた官兵衛を驚いたように見たが、官兵衛の言葉に2人とも眉間を寄せた。
「…いないからこそ行った、とでも?」
「………違う。そもそもの、目的がお前さんらだという考えの、逆だ」
「……目的があの二人だと?」
訝しげな毛利の言葉に、大谷はわずかにはっとしたような様子を見せ、目を細めた。
「………日ノ本一の拳の女と、それ以上の刀の男……」
「欲しがると?だがそのような戦い方をしていたのは遥か昔の話であろう」
「剣道も女子のそれもキックボクシングも、正直プロってのが今の日本にはいねぇ。だがあいつらプロになる気はさらさらねぇ…弁護士と医者だ」
「…ぷろとやらが何かは知らぬが、要はそれに引き込むための身代わりとして召喚しようとした、ということか?」
「……かもしれない!!おい、吉継!」
官兵衛はさっと顔を青ざめさせ、大声を張り上げた。官兵衛の声に吉継がすぐに部屋から顔をのぞかせる。
「奴らの目的、こいつらじゃなくて三成たちの可能性がある!迎えに行ってくる!」
「…待ちやれ、暗!穴熊を連れていきやれ!」
「はぁっ?!」
車のキーを持ってすぐさま飛び出そうとした官兵衛を吉継は引き止め、そう叫んだ。3人の話を話半分に聞いていた黒田は驚いたように吉継を見た。官兵衛も不可解そうに吉継を振り返る。
「なんでじゃ!こんな鉄球付けた奴、」
「一つは三成たち以外にも来てしまっておることを証明するため、一つは必ずしも性別が同じではないことを示すためよ!」
「…、…!分かった、穴熊ァァついてこい!!」
「はぁっ?!ちょ、待て!」


 「…なっ」
「?どうしたんだ」
それから少しして、政宗に三成からの連絡が届いた。さっ、と僅かに顔が青ざめる。伊達は既に家を出ており、部屋には支度をしている徳川がいた。
「まずい、アクションが起きた。独眼竜もあぶねぇ可能性がある!」
「!」
「ん?っと………。……石田たちの方には吉継さんが手回した、俺たちは独眼竜回収するぞ、早く!」
「え、ちょ、待ってくれ!あくしょんって?!」
徳川の答えを待たずに家を飛び出した政宗を、徳川は慌てて追った。
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