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聖なる夜のハプニング54

「……なんだテメェ等」
政宗の行動虚しく、伊達はその頃には謎の集団に囲まれていた。伊達はチッ、と小さく舌打ちをし、拳を作った。
「…お前は何者だ」
「Ah?喧嘩をふっかけんならそっちから名乗りな」
「………」
黒スーツの男たちは伊達の言葉に顔を見合わせ、各々がスーツの懐に手を入れた。
僅かにわいた殺気に、伊達はさらに眉間を寄せる。
「…殺る気があるなら本気で相手になるぜ」
「……可能性がある、確保しろ!」
男の中の一人がそう言うと、男たちは一斉に伊達めがけ麻酔銃らしき銃を構えた。引き金が引かれるとほほ同時に伊達は腰をぐっと落とし、勢い良く地面を蹴った。麻酔針のついた弾丸をなんなく躱し、一気に間合いを詰めると真ん中の男の手首を勢い良く蹴りあげた。
めきゃ、と嫌な音がして銃が手から離れて空を舞う。
「うああああああ!!」
「Ha!!」
慌てて銃を自分に向ける男たちに伊達はにやりと笑いながらすぐ隣の男の首に手刀を叩き落とした。


 「…官兵衛が来るそうだ」
「え、え?そうなのか?」
「あぁ、年末の買い物にと」
『吉継が、奴らの狙いが権現や凶王たちではなく、私たちではないかと言っている。迎えに来ると』
「そうかーそういえばお蕎麦切らしてたな」
『ワシたちが…?確かにいないのに来るのは変だと思ってたけど…』
三成は家康の言葉に肩をすくめ、腰をあげた。外からは見えない位置で、窓の外の様子を伺う。
『…減ってない』
「じゃあ出かける用意しようかー」
『困ったな…官兵衛さん大丈夫かな』
「そうだな」
『今はどうしようもない』
三成は窓のそばから離れると、ソファで小さくなって座る家康の隣に座った。家康はむぅ、と眉尻を下げた。

 それから少しして、家康の家の近くに官兵衛と黒田が到着した。黒田は鉄球のせいで席に座れず、後ろのトランク部にいた。
官兵衛は運転席から様子を伺い、チッ、と舌打ちした。
「…結構いやがるな。あいつらに出てきてもらうか」
「で、行動を起こしたらこいつで突っ込む…そんなとこか?」
「おぅ、物分かりが早くて助かるよ」
官兵衛はそう言うとケータイを取り出し、家康にメールを送った。
黒田はわきの窓から車の外の様子を見た。なるほど、家康の家を囲むようにそれとなく黒い格好の男たちが立っている。
「…あいつらを助けるのはいいが、そうなると関係者の方にも手を回さんとだぞ」
「分かっとるさ。そうは言ってもあの二人意外とダチは少ないからな。危険なのは家康の先生の秀吉くらいじゃろ」
「!いるのか」
「知ってんのか?」
「…まぁ、小生も一応、豊臣に属してたことがあるんでね」
「へぇ!」
「お前さんはどういう関係なんじゃ」
「昔のご近所のお姉さんさ。キックボクシングに勧誘されたが、小生は生憎そっちにゃ興味なくてね」
「……………は?」
黒田はふぅん、と納得したようにそう呟いたあと、ん?と首をかしげ、そして官兵衛を振り返った。官兵衛は不思議そうに黒田を振り返る。
「……ご近所の、なんだって?」
「へ?ご近所のお姉さん…」
「女じゃとぉぉっ?!!?!」
「男じゃとぉぉっ?!!?!」
官兵衛は仰天したように黒田を見たあと、脱力したような笑みを浮かべ、肩を揺らした。
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