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もうお前を離さない233

「なーんちゃって。まぁ、本当の所がどうかは知りませんけどね。喧嘩別れしてるかもしれないし斬滅されてるかもしれないし。今頃どこいるんだろうなー…長曾我部の所はもう終わったろうし…」
「…、石田なら今頃薩摩だろ」
「そんな南まで行っちゃったんですか!!」
「帰路にあるらしいがな」
「はぁー…動きが速いですねぇ流石に」
「そうだ「政宗さんっお邪魔しますよ〜ッ!!」…は?」
2人が互いに顔を見ずに話していた時、突如ハイテンションな鶴姫が姿を現した。その後ろには市もいる。
伊達はぽかんとして現れた2人を見た。
「……海神の巫?」
「瀬戸内のジャンヌダルク!!」
「じゃっ?!」
「まぁ!貴方がお市ちゃんの言っていた、炎色さんですね!?私は鶴姫!よろしくお願いしますっ☆」
「はぁ…どうも」
「…アンタ、何の用だ」
きゅぴーんという擬音語が非常によく似合う登場をした鶴姫に、伊達はやれやれと疲れたように尋ねた。宮野は呆然としている。
鶴姫はむっ、としたように伊達を見た。
「酷いです!用がないなら帰れとでも言いたいのですか?!」
「はぁ…」
「…とりあえず座ったらどうです?」
「はいっ!お邪魔しますねっ☆」
鶴姫は元気よくそう言うと、宮野の向かいにぺたんと腰を下ろした。市はするすると歩み寄り宮野の隣に腰を下ろした。そしてきゅうと宮野に抱きついた。
「ちょ、お市さん…」
「…で?何しに来た?用もなく囚人の部屋になんざこねぇだろ」
抱きつかれて困っている宮野を横目に伊達はつまらなそうに鶴姫を見た。
「むむっ。お市ちゃんに炎色さんの事を聞いて、ぜひ一度会いたいと思ったまでです!」
「はぁ…あの、私の名前炎色じゃなくて宮野黎凪…っていうんで」
「宮野、黎凪さん!素敵なお名前ですね!」
「どうも」
「ずばっと聞いてしまいますが、黎凪さんは懸想される方はいらっしゃいますか?!」
「はぁ…?」
唐突に尋ねた鶴姫に疑問の声を上げたのは宮野ではなく伊達だった。今度はぽかんとする伊達を横目に宮野はくすりと笑う。
「残念ですが、私恋人持ちなので」
「まぁ!羨ましいです!どのようなお方なのですか?」
「そうですね…団子が好きで初な男で…、優しくて弱くて強い人ですよ」
「?弱いのに強いのですか?」
「隣の人の好敵手ですからね」
「政宗さんの好敵手…。…甲斐の若虎さんですか?!」
驚く鶴姫に宮野はくすりと笑う。
「でも、そうなると弱いというのが分かりません」
「自分に自信がなくていつも迷ってて。そんな所は弱いんですよ」
「…?はぁ…」
「かくいう貴女は?」
「!!私は宵闇の羽の方を!」
聞き返されたのが嬉しいのか、鶴姫はピンクのオーラを放ちながらそう答えた。
「宵闇?」
「はい!燃えるような赤い髪に涼やかな立ち姿…!」
「…あぁ、風魔小太郎ですか」
「!!!!お知り合いなのですか?!」
ずいっ、と身を乗り出した鶴姫に宮野は僅かに驚きながらも曖昧に頷いた。
「意外だな」
「いや、意外も何も私あの人に攫われかけたんで」
「えぇ?!」
「Realy?」
鶴姫と伊達が同時に声を上げる。宮野は肩を竦めた。
「腹ばっか蹴られてしばらく痛かったんですよねー」
「よ、宵闇の羽の方が…」
「よく逃げられたな」
「それがまー幸村が助けてくれたんですよー。あの時はもう惚れなおしましたね」
「きゃっ☆」
「あぁそう…」
伊達はどこかげんなりした様子でそう呟いた。
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