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Not revolved transmigration 129

「いって!何しやがんだ!!」
「うっさい晴久の馬鹿!借金の取り立てが来なくなったからこっちは死んだのかって心配してたのに!なんでヤクザなってんだよっ!」
「な…仕方ねぇだろ!」
「そういう問題じゃないっ!なんで俺や南部のじっちゃんになんも教えてくんなかったんだ!南部のじっちゃんなんか一回倒れたんだぞ!」
「…ッ!」
「俺だってなぁ!体育教師になりたいから拳法やってたんじゃないんだからなぁ!う、うわぁぁぁ!」
「なっ、ちょっ、泣くな!」
「…変なやつだな」
「ヒヒ、確かに」
尼子と宇都宮の掛け合いを見ていた片倉の呟きに大谷がそう返した。大谷の声に竹中ははっとしたように大谷に近寄った。
「…大谷君。君、覚えてるんだね」
そして、石田に聞こえないように小さな声でそう言った。窓辺に駆けつけていた真田と徳川はその言葉にぎょっとしたように竹中を振り返る。
片倉は逆にそんな反応に驚いたように三人を見た。どうやら片倉はすでに知っていたようだ。
大谷は壁に背中を預けながら目を伏せ、苦々しく笑った。
「………あい」
「どうして覚えていないフリを?」
「わざとしていた訳ではなし。あそこの者は太閤以外覚えていない故な」
「お、覚えてるのか?!刑部!」
「なんと…?!」
「……教えてくれないかな、君の今生の過去を」
「…ならば三成を退室させてくれなんだか、賢人殿」
大谷の言葉に竹中は思い出したように石田を見た。石田もちょうど竹中の方を見、駆け寄ってくる。
「兄さん、大谷さん、大丈夫ですか」
「うん、大丈夫」
「掠り傷など大した傷ではないゆえな」
「…そうですか。そうでしたら兄さん、松永が仕掛けたという爆弾を何とかしないと!あの爆発で辺りが騒がしくなってきています」
「あぁ、多分それなら大丈夫じゃないかな」
「え?」
竹中がそう言った時、開け放ったままになっていた扉を叩く音がした。驚いてそちらを振り返れば、オールバックの男が立っている。
久の関係者か、そう石田や徳川達が身構えた時、大谷が盛大に吹き出した。
「ヒーヒッヒッ!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「お、大谷殿ッ?!」
「ヒッヒ…しばらく見ぬ内にずいぶんとさっぱりしやったなぁ、黒田ぁ?」
「えっ?!」
「喧しいぞ吉継!」
「あっ、ホントだ!」
なんと、その男の招待は黒田だった。特徴的な前髪と無精髭がないからか、全くの別人に見える。
黒田はふん!と憤りながらも近寄ってきた。そして竹中に何本かのコードを差し出す。
「ほらよ」
「…?何だいこれ?」
「何って……松永が仕掛けた爆弾の雷管の接続コードだよ」
「!知ってたのか?!というか、仕事だったんじゃ」
「僕が頼んでこのホテルに潜入してもらってたんだよ」
「えっ?!」
真田と徳川、石田に片倉は驚いたように黒田を見た。黒田は居心地悪そうにオールバックにしていた髪をぐしゃぐしゃと乱し目を隠した。
「あの野郎が爆弾仕掛けてた事は知ってたからな。パーティーが佳境に差し掛かった頃に全部不発弾にしてきた」
「…貴方が……。…とても意外でした」
「何故じゃッ」
「何を言うておる、潜入捜査はこいつの専売特許よ」
「…では何故営業の部署に?」
真田が最もな疑問を口にした。
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