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Not revolved transmigration 118

「お邪魔しますよーっと」
無事、問題なく久の部屋に侵入していた。フロントからくすねたマスターキーで鍵を開けたのだ。
静かに戸を閉め、部屋の中に気配がないか確認した。
感じられる気配は2つ。
「ち…誰だ?」
猿飛は気配が感じられる部屋にそっと近寄り、扉に耳をつけた。
「……長政さま怒っているかしら……」
「(!この声って、)」
「さぁてなァ…。しかし、心配はすれども怒ってはおらぬと思うがの」
「大谷の旦那見ーっけたぁぁぁ!!」
「「?!」」
思わず猿飛は忍ぶことも忘ればんと扉を開け放った。2つの顔が驚いたように猿飛を見る。
部屋にいたのは後ろ手に縛られ顔色の悪い大谷と、足枷を付けられた黒髪ロングの女性だった。猿飛は半ばポカンとしながら二人を見た。猿飛が口を開く前に、大谷が猿飛に気がつく。
「主は…誰だ?」
「あら…?貴方のお友だち…?」
「いや、知らぬわ」
「俺様は猿飛佐助。なんだ案外元気そうじゃん。心臓病で薬ないって聞いてたから焦ったのに」
猿飛ははぁ、と深く息を吐き出した。大谷は苦笑を浮かべる。
「いや、何度か不味かった事はあった。本当よ、ホント」
「へぇー?そちらのお嬢さんは?」
「私は織田市……看護師をしているの……」
「信長公の妹よ。お陰で平気だった」
「!やっぱり?」
「やっぱり…?何の事かしら…?」
「あ、いや、なんでも」
首をかしげた織田に猿飛は慌てて手を振った。大谷の後ろにまわり、縄をほどく。
「それより、何故主はここに?」
「松永久。あの人小太郎…まぁ俺様の家族にも手ぇ出しててね。今そっち手伝ってんのよ」
「片倉はどうなりやった?」
「右目の旦那?上にいるよ」
「右目…?って、いやるのか」
「で、君はなんでここに?」
「私…?私は分からないの…気がついたらここにいたわ…」
ちょいちょいと針金を駆使して織田の足枷も外す。
「長政さま怒っているかしら…」
「長政さまって?」
「私の旦那様よ…小児科の先生なの」
「やれ。何故主はここにおるのよ?」
「松永久を逮捕しにね♪さ、とりあえずここを出よう。上の階に竹中サンとかいるから」
「お友だち?」
「友ではないなァ」



 「そろそろ教えてくれないかね?」
「何をだね?」
「分かっているだろう?」
一方、パーティー会場では、久と松永がそんな会話を交わしていた。
久は長い髪を揺らし、松永を振り返った。パーティーだというのに久は黒いパンツスーツだった。ボディラインがとんでもなく美しいので、通りすぎる男が皆振り返っている。
久は長い指をぴ、と松永の唇に当てた。松永は面白そうに笑う。
「やめたまえ。妹に欲情しないよ」
「私を逮捕でもするつもりかね?」
「それは出来ればしたくないな。いい加減身を落ち着かせたらどうなのかね。今度はヤクザか」
「やはり知っているんじゃないか。今さら同伴に呼んだのはその為かね?」
「久」
松永はふいに久の顔をわしづかんだ。久ははっとしたように松永を見上げた。
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