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Not revolved transmigration 117

「入るぞ」
そう前置いて尼子は先ほど追い出されたばかりの社長室に入った。部屋の隅で、何故か長曽我部がいじけていた。
「…どうした?」
「前もって話してなかったから拗ねてやがるんだよ」
「………ぷ」
「笑うんじゃねぇ!って吉継?!」
「落ち着けよ銀髪」
「白髪じゃねぇッッ!!」
「言ってねぇわ!」
「あれっ。アンタ誰?!」
「うるせぇってんだよ!おい坊主!何の用だ」
長曽我部の見事なボケに突っ込みながら、尼子は伊達を振り返った。伊達は二人のやりとりにくすくす笑いながらも尼子を見た。
「おう。一先ずさっきの事の真相は三人に話してある。アンタの予想通りだ」
「そうかよ」
「それで、だ。一つ確認したいんだが、ここに突入班とか来てねぇよな?」
「来ていない。まず必要ないからな」
「ならば強硬突入はない、と、考えてよいのか」
「あぁ」
尼子の言葉に毛利はふむ、と呟いた。長曽我部はまだ不貞腐れて毛利に抱きついている。
伊達は再び尼子を見上げた。
「なら、今日1日足止めすることは出来るか?」
「多分大丈夫だろ。ジャマーの性能次第だと思う」
「秀吉さん」
「社外に出なければ、だな。この社内ならば電波はおろか、内線以外は有線も通じぬ」
「なるほど。一点集中型か。って事は、外に出さなきゃいいんだな」
「うむ」
尼子はふぅと疲れたようにため息をついた。そしてそれから、わしゃわしゃと伊達の髪をかき回した。
「な、何しやがるッ!」
「ったく、派手なことしやがる。今日、松永の野郎は兄貴に呼ばれて一人だが、それとお前ら関係あんのか?」
「その兄貴って奴の芸能プロダクションのアイドルの一人が政宗のダチのダチで、そのダチの仲間が松永に利用されてて、それに怒った兄貴が協力してくれたんだよ」
「すまん、明朗すぎてよく分からねぇ」
「関係あるなんてものではないということだ」
「なるほど、よく分かった」
尼子はそう言って何度か頷いた。伊達は撫でられた髪の毛を手櫛で直した後、尼子が豊臣を見ていることに気がつき首をかしげた。
「…どうした?」
「……いや。アンタ、豊臣秀吉だよな、風魔負かした」
「ぬ?うむ」
「これは私的興味なんだが、この坊主がアンタ人質にした時なんであんな大人しかったんだ?見た感じ、坊主は誰にも話してなかったみてぇだが」
「そういや。俺だけ錯乱して恥ずかしかったじゃねぇか!政宗の事は信用してっけどよ!」
「案ずるな元親、我も最高に動揺しておった」
「……」
尼子に続いてそう言った二人の言葉に、豊臣は困ったように首をかしげた。
「…、政宗が何か行動を起こすのは必ず理由がある。政宗は昨日から思い詰めた目をしていたからな。何か理由があるのだろうと思っただけだ」
「でもよう社長!突然ナイフ突きつけられたんだぜ?!俺は主にそこで動揺した!」
「ぬう…確かに頸動脈のある場所だったが、まぁ切られてもなんとかなろう」
「うおぉい男前だな社長!」
「はは、すっげーの。ん?待てよ。ってことは、片倉達は、今…?」
「あぁ。ニューオータニ行ってる」



 その頃猿飛は。
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