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Not revolved transmigration 116

「お前らに全てを教えてやる。その代わり俺を手伝え」
「貴様何を…!」
「大谷吉継、助けてぇんだろ。アイツ、片倉が持ってきた薬没収されてるからいつ死んでもおかしくねぇぜ」
「!!なんだと?!」
「静かにしろって言ってんだよ!このままここで大人しくお留守番してぇってんなら黙って座ってろ。俺は何も話さねぇ」
尼子はそう言うと立ち上がり、二人に背を向けた。そのままスタスタと歩きだした尼子を二人は慌てて追った。
「待ってくれ!アンタ、何知ってんだ?そんで何しようと…!」
「どうすんだよ」
「…。分かった、お前を手伝おう。だから教えてほしい」
「…。寄れ」
尼子の言葉に二人は尼子に近寄った。尼子は壁から一番離れた窓の側に立った。
「俺の名前は尼子晴久。闡喪組の幹部だ」
「!」
「4ヶ月くらい前だったか忘れたが、いなくなってた大谷の所在が知れてな。石田三成の事を知られたから、ここを法律的に葬るために来た」
「な…っ」
「なんで三成を追ってるんだ?」
「石田自体に用はねぇ。アイツが持ってる織田信長の家の見取り図が必要だったんだが、どうやら目的のもんはすでに石田に取られたらしい」
「その、目的のものって?」
「織田信長が所有する、政治家の汚職の証拠だ」
「げぇっ?!」
驚きに変な声をあげた前田を、尼子は唇に人差し指を当て黙らせた。
「そして今日、どうやら決着がつくみてぇだ」
「今日?!なんで!」
「今日うちのボスの松永久が兄貴に呼ばれて一人なんだよ」
「!!」
「どうやらそれにここの奴らが絡んでるみてぇでな。だから政宗って野郎は警察をここから動かしたくないんだろうよ」
「ど、どうすりゃいいんだ?!」
「あの坊主と話してぇが……」
尼子がそう呟いた時、備え付けの電話が鳴った。三人は驚いたようにそちらを見た。小さい音のため、恐らく隣室には聞こえていないだろう。
「…そうか、ジャマーは電波を遮断するだけで内線は使えるのか」
「そ、そんなことより早く出て!」
前田に急かされ、尼子は受話器を取った。
『よう、大谷さんいるか?』
「!お前か」
『あれ?地声で話しちまっていいのか?』
「面倒だったから前田と雑賀に話したんだよ。お前ら知り合いなんだろ?」
『あー、まぁな。正確に言うと先生の知り合いだな』
「お前が今回のことをしでかしたのは、松永の奴が兄貴に呼ばれてパーティーに参加してるのと関係あんのか?」
『なんだバレバレかよ!』

「お前が信じろって言ったんじゃねぇか。だから信じて考えた、答えはそれしか出なかったんだよ」

尼子の言葉に、電話越しに伊達が息を呑んだのが感じられた。少しして、小さな笑い声が聞こえてくる。
『…マジかよ。ホントにあんだけで信じたのか、アンタ』
「お前は知らねぇが少なくとも、片倉は嘘つく女じゃねぇからな」
『なるほどな。……、アンタ一人で社長室来い、大谷吉継』
「あい分かった」
声色が変わった伊達に尼子も大谷に戻った。不安そうにこちらを見る二人ににやりと笑う。
「ちと待っていやれ。すぐ戻るゆえな」
尼子はそう言って部屋を出ていった。
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