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Not revolved transmigration 124

その勢いにまた驚きながらも、二人はこれ以上隠せないと判断して頷きあった。
「…元々は政宗が松永久という女が引き連れているヤクザに関わってしまった事から始まったんだ。多分それで相手方が石田先生の事を知って、そして石田先生が持っている情報が欲しくて石田先生を狙ったんだ」
「…石田先生が傷だらけで来た日か」
「その後、一度そのヤクザ、闡喪組と衝突しましてな。その時、政宗殿の姉上が闡喪組にいて、こちらに寝返ってきたのでござる」
「?なぜ?」
「姉上殿、片倉殿は借金返済の為望まぬ身で闡喪組に属しておられた。それが此度、弟である政宗殿と敵対していると分かり、闡喪組から政宗殿を守るべく裏切ったのでござる」
「……家族は、大事だもんな」
「!」
ぼそりと宇都宮が呟いた言葉に徳川ははっとしたように宇都宮を見た。宇都宮は目元を手で覆った後すぐに離し、二人を見据えた。
「それで、今はどうなってるんだ?」
「今は諸々あり、石田先生が松永と相対しておりまする。尼子殿は警察に潜入していた闡喪組幹部だったのでござるが、こちらに味方してくださっているのでござる」
「幹部?!」
「…ワシ等はその会話には参加していないんだ。政宗の方がよく知ってるから、これが終わったら聞きに行ってくれないか」
「尼子殿は松永を捕まえるべく、他の警察官二人とこちらへ向かっていたはずなのでござるが、何か状況が変わったようにござる。宇都宮先生、尼子殿を追いましょう!」
「…追う?」
宇都宮は戸惑ったように真田を見た。その視線に、徳川は宇都宮が何に戸惑っているのか、分かってしまった。
徳川はがしりと宇都宮の腕をつかんだ。

「信じてあげてくれ、宇都宮先生!ワシも詳しいことは知らない、でも尼子殿は、貴方を裏切っていない!それだけは真実だ!」

「!」
「!…」
真田は徳川の言葉にはっとしたようにそちらを見た。宇都宮は目を見開いていたが、すぐに頷き体を前に向けた。
「晴久は俺たちが向かってるホテルに行ってるんだよな?途中で拾う!」
そう言って車を急発進させた。
徳川はほっ、と息を吐き出し、安心したようにシートに体を預けた。真田はそんな徳川をしばらくじっと見ていたが、ふい、と視線をそらした。


 「…貴様何をした?!」
窓から見える景色の中にちらほらと黒い煙が上がっているのを見つけ、石田はそう怒鳴った。
「落ち着け石田、前に出るなッ!」
「言っただろう?飽きてきた頃だと」
片倉は石田を抑えながらも久を睨んだ。竹中も少し離れた場所で目を伏せていた。
「…1つ近くで爆発したな。尼子かな?」
「……!貴様、人の命をなんだと思っている?!」
「卿は面白いことを尋ねるな。人の命などさして特別なものではない。奪われれば消える、夜露のようなものだ。脆く壊れやすいただのモノだ」
「貴様…ッ」
激昂する石田に久は楽しそうに笑う。
「…困ったね。物的証拠は全て消されてしまったわけか」
「!」
「いや、そうでもないな。その為には後二人消さねばならない」
「!」
石田ははっとし、片倉の前に出た。
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