スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

もうお前を離さない152

「…政宗様」
「小十郎、お前あの女の言葉聞こえたか」
「…は」
「綺麗事ほざいているだけの無知なgirlかと思ってたが…あの目、存外覚悟は出来ていやがる。真田が目の前で殺されたとしても、おそらく同じ事を言える野郎だ」
「…、確かに」
「…それでいて、途中で止めて、それを俺に強制しようとしやがらなかった」
「持論として、あの者の中で固まっている考えだったのでございましょう。怒りかで我を忘れていたようにも見えましたが、途中で我に帰り、言葉をつぐんだ…あの年にしては、よく物を捉えていると言えましょう」
「…真田の野郎、どこであんな奴を見つけた?それに…」
「?」
「やけにfriendryだったな…」



 「黎凪」
「…うん」
「その……。…助かったぞ」
「…そう?到着した時片倉小十郎がいなかったか内心凄い焦ってたんだ」
「…?というと?」
真田は宮野に怪我の手当てをされながら、宮野と話していた。
宮野は真田の問い返しに、小さく笑った。
「話通りなら、止めを刺そうとした伊達の刀を片倉さんが刀掴んで止めるんだよ。なんでいないの?!と思って…」
「そ、そうであったのか…」
「…もう話の流れが変わり始めてるってる事だから…んー油断できないなー」
「!…ふふ、そうか。なら、気を張っていかねばな」
「…、そうだね」
宮野はきゅ、と包帯の端を結ぶと、包帯を軽くぽんと叩いて笑った。真田も笑い返し、宮野の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「真田の大将っ」
「お、おぉっ佐助!無事であったか!」
ひゅんっ、と音をたて、猿飛が姿を見せた。特に目立った外傷はなく、真田はほっと息をついた。
「真田の大将もご無事で何より〜っと。黎凪ちゃんに助けられたんだって〜?」
猿飛はおどけたようにそう言うと、どこか呆れたような目を真田に向ける。
「なっ、いやっ、それはっ」
「私が2人の勝負を邪魔しただけですよ」
「へぇ?…よくそれで無傷で済んだね??」
「いや、もう焦って色々べらべら捲くしたてちゃったんで相手も拍子抜けしてくれたんだと思います」
「へ、へぇ…。…で、真田の大将。この後はどうする?」
「…む………」
「…この戦での死者は出てない。采配は上出来だったと思うよ」
猿飛はくる、と真田に背を向けた。
「迷え。そしてアンタが決めろ。…アンタはもう、大将なんだからさ」
「………………あぁ」
猿飛は真田の返答を聞くと、俺様周り見てくる、と言ってまた小さく音をたてて姿を消した。
「…。幸村はどうしたい?」
「……来る天下分け目の戦いに備え、体勢を万全にしておきたい。石田殿はこの後、西を平定するために毛利元就殿の所を参られるとか。……ならば、西は石田に任せて大丈夫だと思う。それ故、某はこの甲斐の周辺国が東につかぬ様、まず宇都宮を攻める!……のはどうだ?」
「ちょ、私に聞かないでよっ…折角決まってたのに…。…幸村がそれがよいと判断したなら、そうすればいいと思う。私は分からないから、他の家臣の人に聞いてみたら?」
「む……だが……不安なのだ…」
「失敗するか成功するか…それは半分運みたいなもんだよ。幸村に出来るのは確率の高い方を吟味し、そしてそれを高める事。…宇都宮を選んだ理由は?この辺りには姉小路が倒されたとはいえ、まだ上杉や佐竹がいる」
真田は宮野の言葉に少し考える様子を見せた。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2011年06月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30