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聖なる夜のハプニング7

「えっらい憎んじゃいるのに口出しゃしねぇが、その代わりアンタも愛し合ってるのに口出ししねぇでくれよ。いくら似てるっつってもうちの家康は女だし。家康も家康でキレると怖いし。石田の愛重いし」
「待て後半ただの文句だろう貴様」
「つーか、これ以上騒ぐんなら警察呼ぶぜ」
「申し訳ない………」
「………………」
「三成、」
徳川は無言で三成を見る石田にそう声をかけたが、石田は何も言わなかった。
三成はむっとしたように顔をしかめたが、何か察したか、何も言わなかった。政宗はまた肩をすくめた。
「で!大谷さんトコにも四人出たみたいだぜ」
「!」
「なん…だと…。平気なのか」
「スカイツリーに腰抜かしてなんとかなったとよ。でもそいつら泊めるのに部屋ないからお前帰ってくんなって」
「なんだと」
「そうだよ、こいつら宿どうすんだよ」
二人の会話に、しがみついた家康をずるずると引き摺って元親が姿を見せた。四人はうーん、と唸る。
「…ていうかほんとにこれだけか?まだいたらどうする?」
「えーこれ以上はねぇと思いたいけど……」
「黒田のネーサンのとこにいた奴が佐助ーとか叫んでたらしいから、もしかしたらさっちゃんとこも出てるかも…?」
「さ、さっちゃん……」
「ヤスだのチカだの面白い呼称だな……」
伊達と長宗我部は思わず顔を見合わせてしまう。元親はまたスマートフォンを取り出し操作し始めた。家康はその頃漸く元親から離れ、三成の背中にくっついた。まだ立ち直れていないようだ。
「吉継の所に出たということは、官兵衛と…」
「ナリちゃんとユッキー」
「おい伊達さん、えーと、大谷吉継と黒田官兵衛と毛利元就と真田幸村っていう奴ら知ってっか?」
「ナリちゃんって毛利か!!」
「知ってるぜ、皆まぁ四人もいる状況で全部西軍だったのはせめてもの救いか?」
「……真田がいりゃ大丈夫、だと思いてぇな」
「何、そんなあぶねぇの?」
「毛利と真田は帰るはずだし、吉継と官兵衛なら大丈夫だろう」
三成の言葉に元親は納得したように頷き、またスマートフォンに目を落とした。家康は意外と大事になっているらしいと判断し、三成の背中から顔を出した。徳川がそれに気がつき、頭を下げた。
「さっきは申し訳なかった、家康殿」
「………別に…気にしてない」
「あからさまな嘘をつくな」
「うるさいうるしゃーい!男前はお前には分からないだろ三成ぃぃ!」
ばっ、と家康は三成から離れ、指を突きつけてそう叫んだ。三成はわずかに眉間を寄せ、不機嫌そうに唇を尖らす。
「……そんなことはない」
「そうだぜ 三成昔は女の子によく勘違いされててさぁ。保育園の学芸会で女の子足りなくて女の子役やってたんだぜぇ」
「なんだそれ見たい」
「顔が怖いぞ家康」
「あ、さっちゃん?そうそう、いやちょっと聞きてぇことあってよー。そっち変な人出てない?……出てない、あ、そう!ん?いやーちょっとね、今度説明するわー、はいはーい」
その時にちょうど佐助が電話に出たらしい、だがそちらには現れなかったようだ。
元親は電話を切ると腕でばってんを作った。政宗はふむ、と小さく頷く。
「…他に何か心当たりは?」
「んー…刑部が来ていることを考えると…忠勝とか片倉殿とか…?」
「え?忠勝はワシの実家にいる犬だぞ」
「犬!!!」
「アンタ、小十郎って奴知ってるか?」
「あー、片倉小十郎知ってる。俺の先輩」
「先輩かよ!」
「じゃあそっちも確認すっかー」
元親の言葉に家康と政宗は頷き、二人ともスマートフォンを取り出しそれぞれ連絡し始めた。
三成はふむ、と呟いて腕を組んだ。
「ひとまずはこいつらをどうするかだな」
「大谷さんとこはもう無理か?」
「押し込めば入ると思うが」
「…あなたと大谷、さんは、どういう関係なんだ?」
不意に、徳川がそう尋ねた。
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