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聖なる夜のハプニング6

「なんか紐で縛ったって聞いたけど」
「事情は知らんが他人の家の居間を平気でこれだけ荒らす者共だからな、真剣も持っていたし…何より目を覚ましたらまたやり合おうとしていたからな。今一発殴ってきたところだ」
「ぶっ、ははは!Good Job!じゃ、例の二人はアンタらに任せるぜ、独眼竜と西海の鬼さんよ?」
ひとしきり笑った政宗はちら、と二人を振り返りそう言った。二人は小さく頷き、三成が出てきた部屋に入っていった。
三成は二人を見送った後、不可解そうに政宗を見た。
「あの二人は…」
「戦国武将だってよ」
「は?」
三成は眉間を寄せる。政宗はおどけたように肩をすくめた。
「そうあいつらは言ってるぜ。で、今は戦争中なんだと。いわゆる、天下分け目の戦い?」
「…そんな名前の武将がいたか?」
「俺たちの知る限りじゃいねぇな。ま、なんかの漫画かなんかじゃねぇの?よく漫画であるだろ」
「漫画ではな。……だが、そうともなればあの殺伐さも納得できないことはない」
三成の言葉に政宗はにっ、と笑い、そして元親の方を見た。
家康は元親の胸元に顔を埋めてしくしくと泣いている。相当ショックだったらしい。
「…でもこういう言い方あれだが…そう珍しくもねぇだろ?」
「ジャージの時はな。今日はキャミソールだった」
「あー…」
政宗は困ったように肩をすくめた。


 「家康!」
「石田!」
「独眼竜!それに元親!」
「長宗我部、」
一方の寝室では、ベットの端と端にくくりつけられた二人がいた。騒いだことで三成に何か言われたのか、石田は黙って徳川を睨んでいた。
伊達は徳川の、長宗我部は石田の紐を解く。
「…ど、独眼竜、その格好は?」
「こっちの服だよ、俺と同じ顔同じ名前の奴に借りた」
「!お前たちも?」
「おう。まぁ俺女だったけど」
「少なくとも今はいがみ合ってる場合じゃねぇぜ。ここ移動するときも、変な鉄の箱みたいなのに乗せられてきたしな。それに、あいつらが話してるのから考えると、他にもまだ来てる」
伊達の言葉に徳川は驚いたように目を見開き、石田は目を細めた。そのためか、長宗我部が紐を解いて自由になった後も、暴れようとはしなかった。長宗我部の手を振り払い、ぷいとそっぽを向いた。
「ここはどこなんだ?」
「よくは分からねぇ。東京っていうらしいんだが、まぁ大体の位置でいうと小田原より若干北の位置だ」
「……結構東だな」
「あぁ。で、おもしれぇことにな。俺達のような武将ってのは、もういねぇらしい」
「いない?」
伊達の言葉に、ぴく、と石田も反応した。政宗は話を続ける。
「そんな風に戦をしていたのは、400年くらい前の話なんだってよ」
「………そうなのか」
「で、ここじゃ刀や銃、諸々武器を所持するのも禁止なんだそうだ」
「禁止?それは凄いな…」
「入るぞ」
そこへ、ちょうど三成が姿を見せた。石田は三成を振り返り、しばし二人の視線がぶつかった。三成は石田に負け劣らずの視線を飛ばした後、伊達と長宗我部をちらりと見、そしてまた石田に視線を戻した。
「…伊達から大体の話は聞いた。戦中だそうだな」
「そうだ」
「だが家康の家を荒らした事と侮辱したことは許さない!」
「黙れ!親しげにその名を口にするな!虫酸が走る!!」
「黙るのは貴様だ!貴様は貴様で勝手にしろ、だが私のものに手を出すならば貴様を殺す!」
「落ち着けって三成」
「柄にもなく名前で呼ぶな」
一気にヒートアップした二人に、政宗が後ろから顔をのぞかせぽんと肩を叩いた。
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