スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

聖なる夜のハプニング4

「…吐かせればわかる話よ」
毛利はそう言いながら輪刀を構えた。武器を構えた姿に吉継と官兵衛ははっとなり、吉継は逆手に包丁を握った。
「我の家で好き勝手は許せぬなァ?まずは名乗りやれ」
「!大谷どの、暴力はなりませぬぞ!」
「多少手荒でも正当防衛になるはずよ。まぁ合気道四段持ちの先輩はその限りではないだろうが」
「可愛くないこと言うんじゃないよお前さんは!」
官兵衛はそういいながらも腕を前に構えた。幸村と元就は官兵衛の後ろから離れ、別の部屋に避難したようだった。
臨戦態勢に入ったと思った真田もすばやく槍を構えた。黒田はお手上げだと言うように肩をすくめ、鉄球に座り込んだ。
その時、ふ、と大谷が外の様子に気がついた。
「…同胞よ、アレを敵に回すは得策では無さそうよ」
「何を言い出す」
「外を見やれ…」
どこか呆然としたような口ぶりの大谷に、毛利は怪訝そうに大谷を見ながらも窓の外へ視線をやった。二人の所作に、真田と黒田も外を見た。
そして四人とも固まった。
「…何ぞあれは」
「…建造物…でござろうか……?」
「でかすぎじゃろうが!」
「……あれだけの物を作るのは早々困難を極めるの」
四人の視線の先にあるのは東京スカイツリーだ。吉継が暮らす家は浅草にある。
官兵衛は様子の変わった四人に首をかしげる。うすうす感づいてきたらしい吉継はニヤニヤと笑っている。
「…何言ってんだアイツら」
「その建造物、スカイツリーならば数年で出来たがァ?」
「なんとぉ?!」
「……貴様、今の年号はいつだ」
毛利は首丈振り返って吉継にそう尋ねた。吉継は楽しそうに肩をすくめる。
「今年はまもなく終わるが…平成の25よ。西暦でいうならば2013年よの」
「へいせい??」
「西暦……耳慣れぬ言葉よな」
「この年の瀬に年号を聞くなど、主らいつだと思うておったのよ?」
「そもそも名乗れ言ってるだろうが」
「……どうやら、妙な地に紛れ込んでしまったようよな」
大谷はそういうとす、と目を細めた。



 「あー?落ち着けってヤス!今着替えてっから!そっち行くから!な!おいこら三成ー!どうなってんだよー!」
それから少しして、元親は今度は家康と電話しているようだ。バタバタとしながら慌てて着替えている。
一方の政宗は伊達と長宗我部から話を聞き、二人の状況を大体把握していた。
「…!三成って、」
「石田三成。チカとは大学が同じだ、こっちじゃそっちのような事はねぇぞ。家康も奴の彼女だしな」
「家康が女ァ?!しかも石田のこ、こっ恋人?!」
「あの二人がそんなこと知ったら、家康はまだしも石田が危ねぇんじゃねぇのか?何するかわかんねぇぞ」
「Ah?そんな危ないのかよ?チカだけ行かせんのは不安だな…おいチカ!俺も行く!」
政宗は伊達の言葉に目を細めた後、首を伸ばしてバタバタと支度をしている元親にそう言った。元親は驚いたように別室から首だけ出した。
「ハァ?!そいつらどうすんだよ」
「黒田さんとこでも同じことが起きたってことは石田のとこでも起こっててもおかしくないだろ。こいつらも連れてく、車出すわ」
「あー…まぁそうだなァ」
元親は納得したようにそう言うと首を引っ込めた。政宗はちら、と二人を振り返る。そしてうーん、と小さく唸った。
「…アンタは俺の服でも良さそうだが、長宗我部…アンタはなぁ……」
「あ?あー、アンタの話を聞く限り、まぁこの格好じゃ確かに普通じゃないわな」
「まぁなんとかすっか……おら、出かける用意しろ」
政宗はそう言いながら腰をあげた。
<<prev next>>
カレンダー
<< 2013年12月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31