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聖なる夜のハプニング1

*女体化注意!

12/25 クリスマス

その一年いい子で過ごした子どもには朝、サンタクロースから贈り物があるという。
日本ではこの日を、キリシタンの国のように家族と、ではなく、恋人同士で過ごす人が多い。特に大学生などの若い世代に多い。
もちろんそんな夜に、いたすことをしてるカップルも多い。逆に、リア充爆発しろと呟く残念な独り身の者も数多く存在する。
これはそんな毎年のように繰り返される年最後の最大イベントに思いっきり乗っかった、とある恋人達に起きたハプニング。


【聖なる夜のハプニング】


 「……うるさい……」
とあるアパートの一室、例に違わず恋人と一夜を過ごした女性が布団の中でぼそりと呟いた。確かに恋人が泊まりに来ていて一人暮らしの普段と違う朝になるのは当然ではあるが、その割には何故か怒号が聞こえたり物がぶつかるような音がするのだ。このアパートの住人はほとんど実家に帰っており、彼女らしかいないはずなのだが。
「………ん?」
目を覚ました女性、徳川家康は、その時になって自分の恋人である石田三成が、すやすやと自分の隣で寝ていることに気が付いた。一瞬三成が暴れているのかと思っていた家康は首をかしげる。
三成でないのでは尚のこと、この騒ぎは誰が起こしているのだろうか。
家康は眠い目をこすりながら起き上がり、寝室に隣室しているリビングへの引き戸を開けた。
「イィィエェェヤァァスゥゥゥゥウウ!!」
「待て三成!気持ちは分かるが現状を見ろ!!」
「喧しい!貴様!私に何か言えた義理かァァァ!!」
「………はっ?」
家康はリビングの状況にぽかんとつぶやいた。
まずリビングは、喧騒により滅茶苦茶になっていた。机の上にあったものは尽く床に落ち、壁にかかっていたカレンダーやボードも落ちていたり半分にきれていたりする。飾っていたツリーも、残念ながら上半分がなくなっている。
そして部屋の真ん中には、自分と三成にそっくりな男二人がいた。だがどちらも鎧を身に付け体には所々傷があり、三成に似た方に至っては刀を構えている。
家康があげた声に、その2人は同時に家康を見た。
「なっ…家康…ッ?!」
「え……?ワシ…?」
「貴様…影が苦手とほざいたのは嘘かァァ!」
「違う!ワシは影武者なんて…え?!」
「…とりあえず、ワシの家で何しているんだ?貴方達は…」
そっくりとはいえ見ず知らずの人間にリビングを荒らされて苛立っていた家康は、ぽきり、と拳を鳴らしながら静かにそう尋ねた。泥棒の可能性も捨てきれない。
自分に似ている、ヘソ出しの鎧武者は慌てたように手を前で振った。
「す、すまない!ワシらにも何が起こったのか分かってな…っと!」
「!!」
彼がそう言おうとした時、相手から注意をそらした直後、刀を持った男が勢い良く彼に斬りかかった。直前で気が付いた彼は咄嗟に腕を交差し、篭手でその攻撃を受ける。
ガィン、と先程まで散々聞こえていた金属音が響く。家康は呆気にとられてしまった。
「…へ……?」
「…っ、すまないな、ワシは徳川家康」
「へっ?!」
「こっちは石田三成だ」
「はい?!」
「ご覧の通りの関係なんだ、それで別のところで戦をしていた筈なんだ、がっ!」
徳川家康と名乗った彼は、そう言いながら石田三成と紹介した相手の刀を弾き、少し距離をとって拳を構えた。
「戦が夜までもつれ込んで、雷が落ちたんだ。そして気がついたらここにいて…すまない、部屋を荒らすつもりはなかったんだが、」
「ほざけ!」
「っ、ご覧の通りでな!」
徳川はそう言いながら困ったように笑ったが、家康は笑いもできずただただぽかんとするしかできなかった。
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