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聖なる夜のハプニング5

用意を終えた四人は政宗の運転する車で家康と三成の元へ向かった。
長宗我部は結局サイズが合わなかったので、政宗がサイズを間違って買ったという黒い大きめのポンチョを頭から被っていた。
助手席で元親はスマートフォンをいじる。
「…お、三成からライン来た」
「なんだって?」
「あっちも同じことあったってよ。…ははぁー、こりゃ騒ぎになるわ」
「そのちっこいので連絡とれるのか?!」
「おい大人しく座ってろって!あたまぶつけっぞ」
「で、どうしたって?」
政宗は片手で元親を覗きこむように身を乗り出した長宗我部の頭を押し退け、元親にそう尋ねた。
元親は返信しながらそれに答える。
「ほら、ヤスってキックボクシングやってっから筋肉質だろ?それに俺と違って可愛い胸してっだろ?」
「確かにアンタでけぇよな」
「平気な顔でそういう事言うんじゃねぇよセクハラで捕まるぞ伊達サン。……つまり、あれか?男と間違えられたか?」
「そゆこと!」
元親はピン、と人差し指を立てて困ったように笑った。政宗は呆れたようにため息をつく。
伊達と長宗我部は顔を見合わせた。
「…それでどうなった?」
「ん?あー、それで三成がブチ切れて、頭に刀叩き落として昏倒させたって」
「What!!家康と石田をか!?」
伊達と長宗我部は思わず顔を見合わせる。政宗と元親は早くも彼らのそんな反応に慣れたのか、のんびり会話を続ける。
「まァあいつ剣道強ェからなー。この前なんか世界大会出てたし。世界ランクいくつだっけ?」
「6位だろ、確か。運悪く1位の奴と途中であたったから」
「世界ランク…?」
「まぁそのへんはどうでもいい話だから気にすんな。で、こいつらのところの石田と家康はどうなってんだ?」
「梱包用の紐で縛ったってよ。リビングでバトってたらしくてリビングの有様ひでぇんだって。あと、何より家康が泣いちまってそっちのが大変ぽい」
元親はそう言いながらスマートフォンを上着のポケットにしまった。
伊達はわずかに顔をしかめた後、諦めたようにシートにもたれこみ、窓から外へ視線をやった。
「……、ここは高い建物が多いな」
「そうか?あー、アンタ達の話を聞く限りじゃあアンタ達戦国時代の人だもんな。まぁここ東京だからな、多いだろうぜ」
「……なぁチカさんよぅ、聞いてもいいか?」
政宗と伊達が外の景色で盛り上がっている間に、長宗我部は僅かに体を起こして元親にそう尋ねた。元親は驚いたように顔だけ長宗我部を振り返る。
「は?なにを?」
「あんた、目はどうしたんでぃ」
「あー、これ?チィっとばかし前に喧嘩でやられちまったんだよ。今でこそわたしーなんて言ってっけど、元々ヤンキーだったから」
「やんきぃ?」
「んー、不良?ってやつ。悪いことは色々やったぜー犯罪にならない程度にな」
「…ふぅん。姫さんなのに勿体ねぇな」
長宗我部の言葉に元親はカラカラと笑い、指で髪をつまんで持ち上げた。
「ハハッ、こんな色の髪してる時点で女からは色々言われてるっての。ま、でも心配してくれたんだろ?ありがとな」
「…どうせ更生すんならもうちょい口調も直した方がいいんじゃねぇかァ?」
「癖になっちまって直んねぇんだよ」
「おーし、着いたぞー」
そんな話をしているうちに、車は家康の家に着いた。

 「ヤス!」
「!元親…モトチカぁぁぁお前のおっぱいが憎い!」
「おいおいおいそれはねぇだろ!!」
「おいなんか家康がとんでもねぇこと言い出したぞ」
「石田!」
アパートの部屋に入ると、リビングの隅っこでいじけていた家康が元親を見るなりそう言った。元親は苦笑しながらも家康に近寄り、政宗は三成の姿を探した。
三成はすぐに、寝室である部屋から出てきた。そして政宗の後ろを見てわずかに目を見開いた後、すぐに政宗に視線を戻した。
「朝からすまないな。こうなると私にはどうしようもない」
「気にすんな、どうやらアンタのとこに来た二人、戦争やってるとこの両方のTopらしいしよ」
「なんだと?」
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