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聖なる夜のハプニング3

「……どうなってやがる」
「そりゃこっちの台詞だ。アンタらどっから入ってきやがった」
「政宗、空気砲とはいえそれ対人じゃアウトな奴だろ」
「刀六本と変な武器持ってる野郎持ってる相手なんだから仕方ねぇだろ」
政宗はそう言いながら銃口をそらさない。政宗が持っているのは射撃用の空砲だ。威力はそこそこある。
伊達は銃口を向けられた状態のまま、降参とでもいうように手を上にあげた。
「Sorry,お楽しみを邪魔するつもりはなかった、俺達もなんでこんな変なとこに来たか分からなくてよ」
「そもそも独眼竜、アンタと俺は戦ってすらいなかったぜ?」
「確かにな。なんで俺とアンタなのか…皆目検討つかねぇな」
不思議そうにそう話す二人に、政宗も二人がただの侵入者ではないようだと判断し、わずかに銃口を下げた。
その時、ヴーッ、とサイドテーブルにあったスマートフォンが音をたてて振動した。
二人はぎょっとしたようにそれを見る。
「What's that!」
「なんで震えてんだ?んだこりゃ?」
「アンタらスマフォも知らねぇのかよ……。…、チカ、電話だぜ」
「あ?……黒田のネーサンじゃねぇか、こんな朝からなんだ?確かあっちはバイトの後輩とクリパしてたはずじゃ…」
スマフォを投げ渡された元親は不思議そうにそう呟いた後、スマフォを耳に当てた。



 同じ頃、元親の電話相手も彼女たちと同じような目に遭っていた。
「はっ半裸など…!寒々しいでござらぁ!」
「頭が沸いておるのか。何ぞその被り物は。イブに羽目をはずしたか」
「まぁ確かにあちら二人は見事にクリスマスカラーではあるが、もう二人はどうなのよ。クリスマスではなくもはやハロウィンよ、ハロウィン」
「お前らぁぁあ!呑気に喧嘩売ってんじゃないぃ!」
黒田のネーサンと呼ばれた女性、黒田官兵衛は後ろにバイトの後輩である真田幸村と毛利元就を隠しながら、朝目覚めたらリビングにいた謎の四人組の様子を見ていた。
その傍らには、官兵衛の恋人である大谷吉継が台所にあった包丁をくるくるとジャグリングのように回しながら同じようにリビングを見ていた。
リビングにはやはり、彼女たちに瓜二つな男が四人いた。
「はろうぃん…?くりすます…?なんの話ぞ」
「寒さなど気合いで吹き飛ばせるでござる!」
「ハァテマァ、なかなかに愉快な眺めよな」
「なぜ貴様に似ている者だけ男なのだ」
「知らぬがな、ヒヒッ」
「お前さんら!呑気にしとる場合か!!逆に問題だろうが、女だらけのところってのは!」
「…あちらもまともなのは主に似た者だけのようよな」
「まともじゃないと認めるんじゃないよ」
官兵衛は吉継の言葉にはぁ、と小さくため息をつき、一旦離していたスマフォをまた耳に当てた。
『おう、どうしたんだ?黒田のネーサン』
「元親、お前のほう、変なこと起きてないか?」
『変なこと?あー…なんか私と政宗にそっくりな男が侵入してたってのなら』
「そっちでもか?!」
「…どういうことよ」
吉継の包丁を回す手の動きがぴたり、と止まった。官兵衛は分からん、といったように肩をすくめる。幸村と元就にも元親の声が聞こえたらしい、二人も顔を見合わせた。
そして、二人の会話が男衆にも聞こえたらしい、毛利と大谷は顔を見合わせた。
「…長曽我部だと?」
「…何やら面倒なことになっていそうよな。西海のともなると、三成や徳川も、或いは」
「…どういうことぞ?そもそも、こやつらは何故これほど我らに類似している」
「問題はそれだけではないなァ。くりすますといった珍妙な言葉、珍妙な部屋、格好、道具…どうやら全く違ったところのようよ」
そう話し込む二人を、官兵衛の後ろの幸村と元就も見ていた。
「…浮いているでござる……」
「どう浮いておるのか…」
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