生きる理由

「で、何があったの?」
何も言ってないのにレンはそう訊いてきた。
私が変な顔でもしてたんだろうか。
昨日はじめて、レンと居て早く帰りたいと思った。
知られたくない。
生きるのが嫌なこと、死ぬ勇気もないこと、それらの考えがまとまってないこと。
私はただの甘えた怠け者だということ。
問い質してくるレンが怖くなった。
知られたくないということは、心を開いてない証。
仕方なく少し話したけど、
レン自身、未遂を繰り返してる人だから否定しないように、意見として取り入れてね。と色んな話をしてくれた。
でも胸に刺さった言葉があるよ。
一度しか言わなかったけど、
「お前はまだどん底を見てないよ、見たかもしれないけどそれは見たつもりだな。まだ甘い」
その後に「おれは否定とかはしないけど」と言っていたけど、ごめんね傷付きやすくて。

レンは嘘と本当の塊だから何を信じていいか分からない。
ただひとつ言えるのは、少なからず私のことは嫌いではないということ。