不完全な白

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仮彼氏

小栗くんがあんまり嬉しそうにするから、だんだん可愛く思えてきた。
こんな私に会いに来てくれて、いっしょに居ることを喜んでくれるなら、仮彼女の位置も悪くないかもしれない。
レンとは相変わらず絵の話したりするけど、最近忙しくて絵を描けてないから構えない。
大学で集中して作業してるから家に帰ったらぐったりだし、家に帰ってまで絵を描きたくない。
ちまちまメールを止めるようになったら、「彼氏できた!?」と疑われた。
彼氏みたいな人はできたけど。
レンは何かと勘がいい。
大学終わったら人に会いたくないんだけど、小栗くんは会いたがる。
嬉しいんだけど、寝たい。
疲れた。
寝る。

血

レンの左腕を写メで見た。
肘から下は全部赤い線が入ってて、タトゥーも血や傷で分かんなくなってた。
血がたれて左足に赤い模様。
ショッキングな画像だった。
ばか。
大切なんだよ、そんなことしないでほしい。
かと言って私が何か言っても効果があるわけじゃない。
もーしょうがない。
何の役にも立たない。

強制改変

小栗くんは基本的に大勢で騒ぐのが好きみたいで、遊園地とか行ってはしゃぐのが大好きらしい。
遊園地行こうって誘われたけど、私は騒がしいとこに行ってはしゃぐのが上手くできないから断った。
私「はしゃぎ方がよく分かんないんだよね。絶叫も乗れないし、ごめんね」
小「じゃあどっか行くとしたらどこ行きたい?」
私 「んー…水族館かな」
小「あ〜、魚とかずっと観てそうだよね(笑)よし!じゃあ今度水族館行こう!」
私「つまんなくない?」
小「大丈夫♪○○となら何処行っても楽しいから!」
お人好しなのか、私が本気で好きなのか。
私が暗い人間だということを教えたら、「俺が明るくしてやる!」と言って、
私は暗いのが好きだと教えたら、「俺が明るいのが好きにさせてやる!」と言っていた。
無理矢理変えられるの好きじゃない。
私の情報を教えただけなのに、あなた好みに変えられてしまうのか。
失笑です。

近距離

自分の意味がどんどん危うくなっていく。
私は私じゃなくてもいいのに。
ただ寂しさ埋めるために誰かと交わったって、満たされるのは性欲だけで他は何も埋まらない。
小栗くんが「もう死にたいなんて思わせねーから」と言って抱きしめてくれた。
何も言えない。
迷惑かけてごめんね。
騙してごめんね。
誰かに「好き」と言われるたび、罪悪感でいっぱいになる。
それは私じゃなくてもいいじゃない。
多少の好意なんか言葉にしなくていいよ、重みが出る。
セックスの最中に冷静な心がよぎるのは女の特徴かも。
この人はなんで私を抱くのか。
なんで私の目を見るのか、頭や頬を撫でるのか。
ただの性欲処理にそんなの必要ないはずなのに。
私の気持ちに揺さぶりをかけて、優越感に浸ってるの?
そんなネガティブな思いがよぎって、性欲が冷めたりする。
セックスなんて、ほんとは要らない。

連れ込み

この間、賢が家にきた。
外回りの仕事らしく、仕事を抜けて3時間ほど居た。
来る寸前まで私は寝てて、ほぼすっぴんで出迎えてしまって悪いことした。
部屋に通して座ってもらったけど賢はそわそわして落ち着かない。
なんか可愛かった＾＾
それとなく近付いてきて、キスした。
賢「がまんできなかった…」
よほど欲求不満なのか、ものすごい照れててこっちが恥ずかしかった。
賢の照れ方はなんかそそる。
そのまま普通にセックスして、二回目は私がイカせて、終了。
賢に「何人の男を連れ込んだんだろ」って言われたけど、彼氏以外を連れ込んでセックスしたのは賢が初めて。
ヤリマンのイメージなのかな。
否定は出来ない。
賢は喋る時は相変わらず静かな感じ。
けど途中で仕事場から電話があって、はきはきした社会人ぽい声で話してた。
なんか逞しいかんじでかっこよかった。
仕事ではけっこう上にいるみたいだ。
今更だけど金子賢より魔裟斗に似てるなぁ。
その後お昼ご飯をどうしようかーて話して、私が適当に作ってみた。
電話でははきはきしてたのに、私と喋るときは恥ずかしそうにぼそぼそ喋る。
あんまり目を合わせない。
そのギャップがすごく良かった＾＾
賢とはもっと仲良くなりたい。