嘘か真か

Kさんを疑った。
私の存在が邪魔だと思った。
Kさんの成長の妨げになるようなら消えようと思った。
でもKさんは私の涙をすくい上げてありがとうと呟いた。
こんなに思ってくれて、ありがとうだってさ。
私は未熟で、思い通りにいくことなんてひとつもなくて、それはある意味いいことで。
優しい人は嘘をつく、そう言ったら、俺は嘘は一度しか言わないよ、と言われた。
だったら今度から怪しいことは何度も聞こう。
Kさんは優しい。
朝まで一緒に居たけど、もっと大切にしなくてはと思った。
疑うのは簡単、信じるのは難しい。
だったら難しい方を選ぶ。
私はKさんを、最後の彼氏にしたいと思った。