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聖なる夜のハプニング37

「…それに、一見奴らは単純だが、私たちの言葉程度で変わるほど、単純な人間ではないと思うぞ」
「じゃあこのままほっとけって?」
「元より関係のない人間だ」
「 じゃあこの胸にたまるモヤっとボールはどうすりゃいいんだよ!!」
「懐かしいネタだな……」
政宗はばん、と机を叩くとそのまま突っ伏した。三成は政宗に対し、ふんと鼻を鳴らす。家康と元親は思わず顔を見合わせた。
「やりたいなら勝手にしろ。…だが、奴等が喧嘩っ早い人間であることを忘れるな。貴様本人にのみその矛先が向くとは限らないんだぞ」
「!」
政宗は三成の言葉にがばり、と顔を起こし三成を見た。三成は眉間を寄せ、不機嫌そうな顔をしている。
「……俺がちょっかい出すことで、お前らに害が及ぶかもしれねぇ、って?」
「…刑部と緑色の男。あの二人はどうにも胡散臭い。現時点でも、少なくとも刑部は長曾我部をだまくらかしている」
「……何それ、初耳」
「推測の域を出はしないが、例の凶王が揉めたというのはその事だろう」
「仲間内でも騙し合い、かよ。…全くもって物騒だな」
政宗はそう言うと体を起こした。元親は腕を組み、うーん、と唸る。
「…そう考えると怖いな……」
「…どうするべきなんだろうな」
「私は奴らの事情にはノータッチの方がいいと思う、が…………貴様はそれでは納得しないんだろう、伊達」
「…分かってんじゃねぇか」
静かに、だが後半は身を乗り出して僅かに挑戦的な笑みを浮かべてそう言った三成に、政宗はニッ、と笑って同じように身を乗り出した。元親と家康はわずかに驚いたように政宗を見たが、長い付き合いだからか、すぐに困ったように笑っただけで、ほかの二人に合わせて身を乗り出した。
「まーそう来ると思ったわ。でもどうすんの?」
「一匹一匹潰してきゃいいんだよ、それとなく。そんでもってこうするべきだ、みたいに断言的に言わねぇってこった」
「…要するに誘導するわけだな?」
「そうそう」
家康の言葉にぴっ、と政宗は指を立てた。
三成は肘をついたまま口元に指をやり、ふむ、と呟いた。
「昨日今日の様子では、誘導しやすいのは長曾我部と真田と見た」
「伊達は意外とその辺勘よさそうだから注意必要だろ、あれ」
「つーか、ナリさんのやつ、日輪だっけ?アイツは相当難しいと思う」
「そうだな、その黒幕臭の2人は除外した方が良さそうだ」
四人は食事そっちのけで、あーでもないこーでもないと話し合った。


 その頃吉継の長屋では。
「お湯頂戴いたし申した!」
「あーはいよ」
風呂上がりの真田が居間にそう声をかけると、台所から官兵衛の声がした。真田はちら、と階段の方を振り返った後、居間に入った。下は普段の袴を履いているが、上には信玄からもらったノースリーブを着ていた。
「か、官兵衛殿」
「あ?なんか用か」
夕飯の片付けをしていた官兵衛は意外そうに真田を振り返った。真田はわずかに視線を逸らす。
「…その、昨晩は某たちのせいで迷惑をかけてしまったと聞き及んだゆえ……」
「へぇっ?!………元親か!!」
「代わってお詫び申し上げる…!」
真田はその場に座すと頭を下げた。官兵衛は仰天したように真田を見、なぜか手に持っていたスポンジを真田に投げつけた。
「なんでお前さんが謝るんじゃ!」
「は、一応同じ軍に所属すっぬおお!?目に何か、」
「あー!泡早く拭けっ!」
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