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聖なる夜のハプニング11

政宗ははぁ、と呆れたようにため息をついた。
「毎回恒例の喧嘩はおいといて、真面目にどうする?警察……」
「は、警察が危ないであろ。それに、下手に関係性を疑われて厄介ごとに巻き込まれるのはごめんよ。あやつら好戦的ゆえ」
「平気な顔してリビングいて武器構えてきやがるからなあいつら」
「ワシのリビングぼろぼろ…」
「そうだなー。そういや、三成と家康は年明けには寒稽古兼ねた交流試合あるんだろ?トラブルは避けてぇな」
「あぁ…万が一そうなれば、チームメイトに迷惑がかかってしまう」
家康はすまなそうにそう言った。政宗はフンムー、と小さく呟く。
「じゃあ俺らで様子みるしかねェか……あ!そういや武器はどうする?」
「地下蔵が空いておる、そこに放り込めばよかろ。後で主のところに泊まる奴らの武器も持ってきやれ」
「分かった」
「ンにしても、わっけ分からねぇよなぁ、あいつら」
元親はそう言い、頭の後ろで腕を組み座椅子にもたれかかった。三成はふん、と鼻を鳴らし、茶をすする。
「不愉快だ。顔を見たくない」
「じゃあお前鏡当分見れねぇな」
「ふざけたことを言うとこうだ!」
「いひゃひゃひゃひゃひゃ」
「そう、顔がそっくりってのもなんなんだよ、あれ」
元親は三成に両頬をつままれ引っ張られている政宗を華麗にスルーし、ちゃぶ台に身を乗り出してそう言った。
家康もうーん、と唸る。
「ワシや元親のように男になってるというか、性別違うっていうのもな…」
「そもそも戦国武将って何だよ。なんで戦国武将が東京の一アパートに姿見せるんだよ」
「ヒヒッツッコミどころは無くならぬなァ」
吉継はヒッヒと笑うと持っていた湯呑をちゃぶ台に置いた。
「まァそうは言えどなってしまった以上対策は立てねばならぬ。年の瀬で大学が休みなのは好都合よ。まずは食料の調達をせねばな」
「飯まで面倒見んのー?俺そんな金に余裕ねぇんだけど」
政宗はげんなりとしたようにそう言った。吉継は大仰に肩をすくめる。
「仕方なかろ?奴らは何も持っておらぬ。かといって暴動を起こされても困る。なにせ同じ顔ゆえな。まぁ金は我が出すゆえ心配すな」
「おっ?お前さんにしては珍しく太っ腹なこというな、吉継」
「餓鬼共にせびるほど困ってないのよ。主から巻き上げている家賃もあることであるしなァ?」
「…ねぇ黒田のネーサン付き合ってんじゃねぇの?家賃払ってんの?」
「小生にも分からん」
おおよそ恋人らしくない吉継と官兵衛に元親はこっそりそうきいたが、官兵衛は慣れたようにそう返しただけだった。

 なんだかんだで昼が近いこともあり、吉継と元親と三成で買い出しに、政宗は二人を連れ出しに家へ戻り、家康と官兵衛が留守番になった。
「…し、失礼いたす!」
「ん?」
既に家にあった食材で先に昼食の用意を始めた二人のところへ、真田が姿を見せた。
家康が振り返ると真田はばっ、と勢い良く視線をそらした。
「…えーと、その顔……真田幸村、さん?でいいのか?」
「いっいかにも、真田源次郎幸村にござりまする…」
「………なんで目そらすんだ?」
「!!も、申し訳ござりませぬ、某女子と話す事に慣れておらず……」
「ふーん、まぁいいさ。で、なんだ?」
にこにこと笑う家康に真田はなんとか視線を向けようとするが、やはりそれる。
「その…気になることが……」
「後でまとめて説明するっつったじゃろうが」
何か言いかけた真田に、台所から官兵衛がぴしゃりと言いのけた。
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