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聖なる夜のハプニング14

「何ニヤニヤ笑いあってんだ気持ち悪いなー」
茶を湯呑に人数分いれて大きなお盆で持ってきた家康が、二人の様子を見てさらりとそう言った。思わぬ家康の言葉に四人は思わず家康を見る。
「「えっ」」
「…そ、そーりー」
「なんでそこでそんな驚くんだ」
「…さ、さようなことを申すお方には見えなんだゆえ……」
「それよく言われるんだよなー。ワシ陰口こそ言わないけど文句は結構言うタイプだぞ?」
「まぁ結構正当な文句だから嫌われはしねぇけどな」
「ははっ、そうでもないぞ?話の通じない奴らには嫌われてるしワシも嫌ってる。売られた喧嘩は必ず買うしな!」
「アンタその好戦的なのなんとかしろよ」
ぐっ、と拳を構え眩しいほどの笑顔でそう答える家康に政宗は飽きれたようにそう返した。徳川と真田と伊達は、一際徳川は驚いたように家康を見ていた。
「…貴女でも人を嫌うことがあるのか?」
「?当たり前だろう。ワシは三成を特別好いているし、そういう感情があるのだから、その逆ももちろんあるさ。まぁ、どうでもいいと思ってる人が一番多いかな!」
「爽やかな笑顔でそういう事しれっと言うんじゃねぇよお前が一番怖い下手したら石田より怖い」
「……そうか………」
徳川はわいわいと盛り上がる二人に、静かにそう呟いた。

 それから少しして、買い出し組が帰ってきた。袋では少しばかり不便だったらしく、居間に入ってきた時には男二人はダンボールを担いでいた。
「お帰り三成!」
「あぁ。テーピングの、無くなっていただろう、買っておいた」
「!ありがとう、わざわざすまない」
「気にするな、ついでだ」
「くらぁあー!炊飯器を入れ忘れやるな!!」
「えっ!?うそだ入れってコード切れてる!!」
「主の不運は全く筋金入りよな!!そんな気がしておにぎり買っておいたわ!」
「お前さんがいらん世話焼くから不運が発動されるんじゃ!」
「暗の分際で随分と偉そうよな!」
「誰が根暗じゃ!」
三成も吉継もどちらも相手の為にした行為のようではあったが、その空気は雲泥の差、真夏と真冬並に温度差があった。
政宗と元親は伊達たちと共に離れた場所からその二組の様子を見守っていた。元親は元親で政宗に買ってきたというポッキーを口にくわえる。
「なんだろうなこの温度差」
「どっちもラブラブってことでいいじゃん」
「取り敢えずあれだ、アンタら面白いな」
「アンタここんとこそれしか言ってねぇぞ」
ぎゃいぎゃいと騒ぐ吉継と官兵衛に、真田以外出てきていなかったが大谷と黒田が様子を見に2階から降りてきた。
黒田は降りてくるなり、自分の鎖に躓いて転んだ。
「なんじゃなんの騒ぎじゃ!あだっ!」
「うわっ、何あれ鉄球?」
「つーか…あれもしかして黒田のネーサンの?!うわむさっ!!」
「ヒーヒッヒ、ヒャハハハハハ!」
「大谷さんのハロウィンの時の大谷さんまんまじゃねぇか」
元親の言葉に爆笑する大谷に、政宗は楽しそうにそう言う。長屋が一気に騒がしくなった。
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